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October 10, 2004

スウィングガールズ

僕に欠けているもの。もちろんそれはたくさんあるのだけど、自分自身があるといいなあと切実に感じているのにも関わらず全く備わっていないものが2つある。

音感と語学力だ。

語学については、僕も中学から英語にふれることになったのだが、当時はそれが実際にどういう場面で必要になるのか、うまく想像ができなかった。そしてそのまま成長してしまった。大学に入ってみると、帰国子女が普通にいたり、あるいはそれなりに頭のいい人はほぼ英語ができたりしていて、そこで初めて、英語というのが社会を渡る上である種の力になるのだ、というのを実感できた。

全ての人間は2つに分けられる。英語ができるものと、できないものだ。

それでも、それを使う必要性が自分の身の上にふりかかってくるとは全然思わなかった。
ところが、社会人になって約10年たって、いまは英語の技術書をあたったりすることは日常だし、そればかりか、なんという因果か海外出張なぞする機会もめぐってくる。
もちろん日常会話もままならないので、ビジネスをめぐる交渉ではなく、技術関係のカンファレンスに出て、最新技術の動向を聞いているという安楽な仕事が多い。

とはいえ現地で、英語のプレゼンテーションを聞きながら、講師に質問したり、懇親会で仲良く会話したりできるといいなあ、と痛切に思う。技術者の交流って、僕らのような仕事をしているとモチベーションを高める、ものすごく大切な行為なのだ。

まあ、こういう話題をすると、では語学を向上させるためにどれほどの研鑽をしているのか、という、また僕にとっては痛い話題になるので、深入りする前に切り上げたい。
(語学でなくて、高校で得意だった日本史の知識が価値をもつ社会だったらよかったのになあ…。でも、そんな社会がいったいどのような経済活動によって成り立つのか、全く想像ができなくはあるけど)。

もう一つ僕に欠けているものについて語ろう。
音感だ。

音感がどこで必要かというと、もちろん音楽は職業上必要としてはいない。業務時間外においてだ。つまりカラオケである。

カラオケに行く機会は、最近はめっきり減ってしまったけど、歌うのは嫌いではない。おそらくは好きなほうなのだろう。それも、ヒットソングをできれば歌いたいと思っている。だからFM放送も聞くし、CDTVだって見る。
しかし悲しいかな、僕は音痴なのだ。
歌えば必ずメロディを外れる。おそらくは聞くに耐えない。だから酒に酔って自分を失っていないと歌えない。本当に残念なことだ。

ピアノがないから買ってくれとか、西田敏行のようなことは言わない。翼がほしいとか大空に飛び立ちたいとも言わず、富とか名誉もそれなりにほしい。しかしそれよりも音痴と呼ばれない程度の音感はぜひほしい。

ふりかえれば音楽も、幼少の僕にとっての天敵の一つだった。楽譜はまるっきり読めなかったし、四分音符と八分音符、どちらが長いのかということも、中学になるまでわからなかった。
楽器の経験といえば、鍵盤ハーモニカリコーダーがあるのだけれど、それすら指先がからまり、演奏もままならない。
中学になってパーソナルコンピューターというものにふれて、そこでMML(Music Macro Language)なる記号の羅列を打ち込むことで、コンピューターが楽器の代用になることは知った。そこで少し楽譜を打ち込むようになり、それまで呪術の護符のように感じられていた音符の意味というものが、ようやくわかった。

そのような身の上である。
そのような身の上で、このところジャズに関する映画を2本ほど見る機会があった。
そして鑑賞しながらやはり、流れる曲のメロディにあわせステップを刻もうとしても刻みきれない自分がいることに気づいてしまったのだ。

どのような映画かというと、一つはこのところと言っても実は昨年なのだが、この世の外へ クラブ進駐軍
終戦直後の日本で、ジャズへたっぴな青年たちが、ジャズを練習して、途中舞台を提供する米軍将校との確執があったり和解したりなど、いろいろ経験しながら、要はジャズもうまくなり人間としても成長するという話だ。
これはなかなかにいい映画だった。

そして今回は、「この世の外へ」からは60年後の日本の東北地方で、ジャズへたっぴな乙女たちが、ズーズー弁を喋ったり雪に転んだりしながら、練習してジャズがうまくなるという話である。10月の3連休の中日に見たスウィングガールズだ。

そこで流れるジャズのスタンダードナンバーを聞いて愉快になりつつ、拍子をあわせようとしてリズムがずれることを恐れてしまう。メロディを口ずさみ、体を揺らして余韻にひたれたらもっとウキウキできるのに。
ああ、悲しきことだ。
僕は二つに分けられたうちの、スウィングしないほうの人間なのだ。

しかしそれは僕の内なる感想として、映画自体は楽しいものだ。
なぜ楽しいものかを語ろう。というかみんなわかっていると思うけど、スクリーンにあふれる女の子たちである。

スウィングガールズの主役を演じるのは上野樹里
すらりと背が高く、明るく清楚な感じの女優さんだ。
彼女には以前から注目していた。それゆえ、この映画は見に行かなくては、と強く思っていたのだ。

上野樹里というと、最近ではこの映画の公開に合わせてAERAの表紙を飾って、ややメジャーになってきた観がある。
前は朝の連ドラのてるてる家族で、三女の秋ちゃん役をやっていたし、その前は図書券のポスターにも出ていた。

そんな彼女を僕が知ったのは、たしか2002年のクリスマス前。東京駅の地下通路に貼ってあったJフォンのポスターだ。
上野樹里が、雪が舞うなか、携帯のカメラで自分を撮って、「イブ、空いてますか」って写メールを送る、というものだった。
当然、僕はその年のクリスマスも暇だった。そんなかわいい女の子から写メもらったらイチコロだよなあ、ええなぁと。上野樹里からメールをもらえる架空の男子に嫉妬を抱きつつ、そのポスターの横を足早に歩きながら通勤していたのだ。

それ以来、上野樹里は僕の脳内彼女になったわけだ。

しかしこの映画を見て一転、上野樹里並に、いやもしかするとそれ以上になるかもしれない、注目の女優を発見してしまった。
本仮屋ユイカだ。

この映画のなかで彼女が演じるのは…眼鏡をかけた、真面目でちょっとネクラな感じの女の子。関口さんだ。
そう、メガネっ娘なのだ。
最近、オタクたちの間で人気になっている(らしい)メガネっ娘。萌えの象徴的存在である。その役回りを朝の次期連ドラのヒロインにも選ばれる、本仮屋ユイカが演じているというと、これ以上の萌えはないだろう。

なんという絶妙な配役。
気づけば上野樹里演じる鈴木友子よりも、メガネっ娘の関口さんの姿をスクリーンのなかでおっかける自分がいた。おそるべし。

よしっ。本仮屋ユイカも、僕の脳内彼女としてつきあうことにしよう!

それから同情に値する存在についても述べておこう。
それは、平岡裕太クンが演じる中村君である。このポジションの男子っているんだけど、女の子に囲まれているから羨ましいように見えて、実はもてない君になってしまいがちなのだ。まあ実際作中の描かれ方もそうだったけど。
僕も幸か不幸か大学時代、まわりに女学生が多い文学部というところにいたせいで、そのポジションに居座る感覚を発達させてしまったから、経験上わかる。フィクションとはいえ、中村君の将来が気にかかる。
そもそもこの映画の監督もたぶんよくわかっているのだろう。なにせウォーターボーイズを作ったりするくらいなのだ。

そう、この映画がウォーターボーイズの監督の作品というのも、上野樹里と並んで見に行った理由なんだよね。

でもウォーターボーイズに比べると、スウィングガールズは設定自体のインパクトがない。ストーリーとしては人に語る時カギとなる言葉がなくて、薦めるのが難しいかもしれないなあ…(一部の層の人にのみ“メガネっ娘”でプッシュできるか)。まあ、あえて薦めるほどのものではないんだけど。

なんだかんだいっても、僕としては、上野樹里が演じる平均的に明るい女の子の姿と、本仮屋ユイカのメガネっ娘姿と、前向きなストーリーと、そして流れるジャズのおかげで、見ていてけっこう上機嫌にはなってしまった一本なのです。

とりあえずサウンドトラックは買って、てもちのiPodに映像中に流れたジャズのスタンダードナンバーを落として聞いてみることにする。
実際にスウィングガールズのみなさんが演奏しているというから、それはやはり耳に萌えというものである。


…今日はかなり散文度が高いブログですね。

パラグラフ全体で一つの方向へ向ってテーマが集束しない文章というのは、僕のポリシーとしてはよろしくない部類(駄文というやつだ)に入るのだが、ここまで書いちゃったからよしとしよう。

散文ついでに天気の記録も書いておく。

連休初日の10月9日は、台風22号が首都圏を直撃した。

僕はふと買いたいものを思い立って、大雨のなか横浜駅に行ってしまったのだ。
買い物も済んで帰ろうとすると、駅のコンコースはひどく雨漏れをしている箇所があるし、電車に乗ろうとしたまさにその時にJRは運休。そこで京急に乗ったら、ふだんは災害に強いはずの京急電車も途中で停まってしまった。
その時まさに台風が横浜市の沿岸を横切っている最中だったのだ。停車した車中にいて、災害を甘く見てはいかんなと反省することしきり。

でも、時速60kmとやけに足の速い台風だったので、けっきょく1時間くらいの停車で済んだ。運転が再開され自宅のある駅に着いてみると、もう雨も上がっていた。

台風直撃のなかを行動したのは2001年、あの忌まわしい9.11テロが起きることになる日の朝、台風15号が鎌倉市に上陸した時以来かな。
あの時はまさに出勤時間帯の上陸だったけど、幸いバスも電車も動いていて、なんとか東海道線で当時の勤務地である品川には出勤できた。そしたら台風のほうもおっかけてきて、ビルを揺らしていたな。

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