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November 28, 2004

いま、会いにゆきます

迷惑メールが多過ぎる。

と感じているのは僕だけかしらん。

としたところ、ちょうど日経コミュニケーション2004.11.15号に、「迷惑メール、五つの誤解を解く」という特集が載った。
サブタイトルには、「メール・システムに“有事”、プロバイダが騒然」とある。だから、やっぱり大層な事態になっているのだろう。

具体的な例を挙げよう。
僕がプライベートでメールボックスを使っているプロバイダは@niftyなのだけど、このような感じだ。

11月29日に僕が受け取った私信は、1通。それに対して迷惑メールは36通。
11月28日に僕が受け取った私信は、0通。それに対して迷惑メールは29通。
11月27日に僕が受け取った私信は、4通。それに対して迷惑メールは25通。
11月26日に僕が受け取った私信は、4通。それに対して迷惑メールは29通。
11月25日に僕が受け取った私信は、2通。それに対して迷惑メールは24通。

うーん、冷静に数えてみると、けっこうすごいな…。多過ぎるというレベルをとうに越えている。しかもこの数日だけで見ても、増加傾向にあるようにも思える。

ちなみにこれは、@niftyのメールに迷惑メールフォルダーという、迷惑メールの自動振り分け機能がある。その起動で振り分けられた数と、それから僕が手作業でゴミ箱に移動させたメールの数をカウントしたものだ。

他の人はどうなのだろうか?
@niftyは数100万のユーザーを抱えるのに対し、アドレスはサブドメインがないシンプルな構造だから、迷惑メールの送信業者にとっては、もともと送りつけやすいという土壌があるだろう。
また、僕の場合、メールマガジンを発行していたりメーリングリストにいくつか入っている。それらの送信のため、メールアドレスを明記することになる。もしかすると、それがどこかで業者のリストに拾われてしまったのかもしれない。

そう思ってGoogleで僕のメールアドレスを入れて検索してみると…。ああ、84件も出てきますね。これでは業者のリストにも載ってしまうだろう。やれやれ。

だから、僕の例はとりわけ多く迷惑メールを受信している範疇に入るのかもしれない。でも、ある程度インターネットをアクティブに使っているだけで、こういう結果になってしまうことを考えると…。
なんというか、インターネットの崩壊は近いと想像してしまうのは、悲観し過ぎであろうか。

迷惑メール栄えて、インターネット滅ぶ、である。

さて、11月28日の日曜日に見に行ったのは、いま、会いにゆきます
同タイトルのベストセラーを映画化したものだ。

いいお話だと思う。

ただ、僕の性格としては、奇跡を前提にした物語の構成って素直に受け入れられないのだよね。僕はふだんは現実が全てと思っている、夢を見ない人間だから。

だから、鑑賞しつつも、話の出だしからちょっと距離を置いた感じで見ていた。
しかも、途中で黄泉がえりに似ているような気がしてきた。と思ってしまうのは、なにしろどちらも竹内結子だからだ。

とはいえ、それでも眺めていると、竹内結子はなんだかいままでの印象とは異なるキャラを演じていて、しっとり感が漂い、けっこうよい感じである。
それから最後まで見て、奇跡の構造もわかった。ま、なぜそのような奇跡が起こるのかは、結局腑に落ちなかったのけど、構造がわかったのはスッキリした。黄泉がえりじゃなかったんだね。

まあ、僕がちょっとひねくれた性格だからこういう感想のまとめ方をしてしまうのだろうけど、多くの人にとってはよい映画なのではないかい。カップルで見に行けるといいよね。

それから、お子さんをお持ちの方や、あるいは女性の立場で見たら、またちょっと違う見方があるのかもしれないな、とも思われた。

主題歌は、ORANGERANGE

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November 21, 2004

レッド・ドラゴン

電車男と私ということで。

電車男がベストセラーになっているそうだ。

2ちゃんねる独身男性板(通称“毒男版”)は僕もしばしばウォッチしている板の一つだ。さりながら、そのなかのスレッドの一つでこのような興亡が繰り広げられていたとは、メディアで取り上げられるまでつゆ知らなんだのである。

同僚が読み終えて書籍をくれたので、目を通してみた。
掲示板形式のまま掲載されていて、サクサク読める本である。
こういうことが、インターネット上で繰り広げられていたという事実は面白いし、板の住人のコメントやAAも見ていて吹き出してしまう。読み物としては、楽しい一冊と言えるだろう。

ただ、恋愛ドラマとして読むと、少々物足りないものを感じたのも正直なところ。だって、ハッピーエンドまで一直線だからね。途中でもっと挫折とかあるのかと期待してたんだよ。

そう、だからあえて言おう。
電車男氏はたんに運がよかっただけなのではないか?(いや、みんなそう感じていると思うけど)。

そうなのだ。彼は幸運だったのだ。
ただ世の中には—エルメスたんと会う前の電車男氏がそうであったように—女性と出会う機会がないとか、関係を深めるための努力の具体的な方法を知らない御仁もかなりいらっしゃるようだ(そういう人種が毒男板にはたむろっているのだ、ああ)。だから彼らに向けての啓蒙の書には仕上がっているのかもしれない。
あるいは、そういう人種がいることを知らない市井の多くの女性にとっても。

でも、思う。
そういう努力は当然のこととして、それでもなおうまくいくとは限らないのが現実だろう。
努力に比例して幸運に恵まれるかというと全然そうではない。やるべきことをやったとしても、結果としてうまく回っていかない程度の不条理さや不公平さに満ちているのが、人の世のなりたちである。
(だって俺なんか、車内で人を助ける機会はないけど、それ以外では電車男並みのことはふだんから心がけている。でも身の回りにエルメスたんらしき人はいないヨ…)。

この物語程度の努力はやるべきであるし、多くの人がやっていることだろう。
彼はたまたまストレートに幸運だった。けど、他の誰かが彼以上にがんばってふんばったとしても、そんなもんうまくいくとは限らないものだ。
そういう不条理や不公平。それらに遭ってなおその先に、はたして因縁なのか偶然なのか、得られて残るものがあるかもしれない。
その得られたものをこそ、人は愛おしく抱きしめられるのだろう。

30年も生きてみると、そう思わせることをいくらかは経験する。
いや、あまりにも当たり前のことなんだけどね。

電車男はたしかによいお話だけど、そこまでの含蓄はない。くれぐれもアキバ系毒男たちが誤解しないよう祈る。

さて、たまたまTVをつけたら、WOWOWレッド・ドラゴンを放送していたのでそのまま見てしまう。

むかし(僕の中学生の頃)プレイしたドラゴンクエストIIIは、作品としてはIIIなのだが、物語世界のなかでは、IやIIの前に起こったこととして位置づけられている。レッド・ドラゴンもそれと同じ。

そういえば、ハンニバルでは、レクター博士が、男の頭を切り開いて脳みそ削り取って焼いて食べるシーンが、まこと印象的でありました。
そういういささか強引なまでのインパクトのある場面は、レッド・ドラゴンにはないな。…だから、観賞後に焼肉を食べる機会とかあっても大丈夫です。たぶん。

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November 20, 2004

隠し剣 鬼の爪

この時季、好むと好まざるとに関わらず意識せざるを得ない、クリスマスというものがやってくる。

ご想像の通り、独り身の身の上にとっては、不要なことをあれこれ考えさせられたり、何らかのプレッシャーにさらされるわけであり、困ったお祭りごとだと思う。
(今年はこともあろうに、月9のドラマのタイトルがラストクリスマスなんで、10月のまだ台風が来ていた頃からなぜだか意識させられていたですよ、まったく)。

僕の中には、そもそもキリスト教信仰がほとんど根づいていない国なのに、過度にクリスマスをお祝いするのはどうよ、という気がおおもとにはある。そういうのって誠実じゃないよ。

と思いつつも、ただクリスマスを前にして、立派なツリーがあちこちで飾られたり、イルミネーションが綺麗に灯されたり、クリスマスソングがBGMとして奏でられる。そういう街の風景というのは必ずしも嫌いではない。
そういう街を歩くのって、たとえ一人でもなんだかいいよね。

それで、この季節の雰囲気にくるまれると、僕はついつい大学の頃を思い出してしまう(ああ、もう10年も前だ)。

というのも、僕が通ったのは、名古屋のカトリック系の大学だった。 
クリスマスになると、キャンパスの片隅にイエスが生誕した厩が再現して建てられていた(東方三博士の礼拝とか、そう言われているシーンだ)。木々には電球が吊るされ夜になるとイルミネーションが灯っていたし、キリスト教概説の講義をしている神父の先生がサンタクロースの格好をしてクリスマスパーティーのビラを配っていた。

悪くはない。
もちろん、こうだったからといってその大学の教育研究機関としての評価は別なのだけど、僕としては4年間通ったわけだし、そういうところだったと後から振り返られるのは、けっこういいものだ。
思い起こすと僕も、聖書を買ったし、キリスト教の講義も2年間は受けたわけだ。だから信者ではないとしても、クリスマスに名目的に参加するくらいの権利は、そこで得られているのではないかと思う。だからこのシーズン、街を歩いて雰囲気を楽しむくらいはよいのだ(たぶん)。

さて、隠し剣 鬼の爪を、川崎のCINECITTA'で鑑賞する。
見終わって、ああ、いい映画だったなあという気持ちで、大変満足した。僕にとっては、今年の邦画のなかではたぶん、解夏下妻物語と並んで忘れられない作品になるだろう。

とはいいつつも、邦画だし時代劇だし、タイトルもヘンテコだし、たいしてヒットもせずすぐに上映打ち切りになってしまうんだろうな、と思う。
お話は、このタイトルからは想像もつかないけど、永瀬正敏演じるだらしな系の侍と、松たか子演じる萌え系な女中との、純愛ストーリーなのだ。もちろん、ほんのちょこっと、殺陣もある。
松たか子は、ドラマHEROでの好演を見て以来、僕としてはわりと好きな女優のうちの一人に数えているのだけど、そういう個人的な贔屓目を割り引いても、この映画は素敵な一本だと思う。

そもそもサムライを描いた映画としては、1年前のラストサムライより、100倍くらいいいよ。米国人にそそのかされて名誉のために内戦を起こすサムライの姿よりは、こういうお侍さんの姿のほうがわが国にはふさわしいと思うのだ。

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November 06, 2004

笑の大学

久々に、ノルウェイの森など読み返している。

村上春樹は、僕にとって高校から大学にかけて好きだった作家の一人だ(いまでも新作は読む)。この作品を以前読んだのはいつのことだろう。単行本の刊行が1987年とある。だから、僕はきっと10代の後半にこの本を読んだのであろう。

でも当時は、確たる感慨を何も抱かなかった。
なにせ読み直すまで、主人公が恋人にフェラチオしてもらうシーンとか、31歳の主婦が13歳のレズビアンの女の子に襲われるシーンくらいしか記憶になかったのだ(要は10代後半の男にとって、かなり刺激的な場面ね)。

100パーセントの純愛小説と言われてもピンと来ず、当時の僕にとっては世界の終りとハードボイルド・ワンダーランドのほうが、完璧なストーリーだった(内閉の世界観を描いた、こちらは10代の頃にはいかにもはまりそうな話)。 ただ、ノルウェイの森は何も感じなくても、その序文にあたる、は好きだったことは記憶に残っている。あの突撃隊は、こちらでの印象で記憶に残っているのだろう。

そのノルウェイの森。いま読み返してみると、とてもいいお話だと思う。
考えてみれば喪失と再生の物語と言われたところで、日々、実家から田んぼのなかを自転車こいで高校に通い、言われるがままに素直に進学しようとし(勉強はしてなかったけど)、都会といえば名古屋に稀に模試を受けにいくくらい。恋愛も何も経験していない身の上で、何がわかっただろう。
当時の僕は、何も失わないし、よって再生するほどの何かもなかったわけだ。

その後、大学を卒業して東京に働きに出て、一人暮らしを経験し、新宿とかその辺りの地理感も身についた。恋愛はうまくなったと言い難いけど失恋なら何度も経験したし、身近な人の死にも立ち会ったりして、そして気づけば19歳のワタナベ君よりは、37歳のワタナベ君のほうに近い歳になってしまった。
ようやく、描かれているものを感じ取れる器を、自分に備わって来た気がする(フェラチオのシーンで、不要にドキドキしてしまうこともないしね)。

ところで、よくひきあいに出されるようだけど、このお話を世界の中心で愛を叫ぶと比較するのは、そもそもが間違っていると思う。表層は似ていても、全然タイプの違う小説だ。
でもあえてここでも、僕の感想を書いておくと、ノルウェイの森のほうがはるかに深みがある。人物の造型が立体的だし、個々の人物がいろいろな生き方、価値観を複層的に見せてくれる。世界の中心は、ストーリーとしては直線的で平坦な気がする。

それにしても…いまさらながらノルウェイの森をひっぱりだしてきて読みふけっているのは、たいがいテンションが低くなっている証拠である。
でも、この小説を読み進めたおかげで、気持ちを落ち着け、わりと心静かにものごとを考えられるようにはなった。

そういう気分を吹き飛ばそうと思って見に行ったのが笑の大学だ。
もともとは舞台演劇のようだけど、楽しかった。これは戦争の影が近づく時代を舞台に描いた、一つのファンタジーである。

ふだんはクールな印象のある稲垣吾郎が劇作家で、不条理な指示に悪戦苦闘する姿をコミカルに演じる。無粋な取調官がいつの間にかノリにのってしまい、巡査姿を想像して楽しそうに走り回る。無理なく演じられる存在として役所広司も最適だろう。この二人の共演は初めて見たが、いい味醸し出しているよ。

ということで、配役も脚本もわりといい感じだったと思う。
ただ、上映時間はもう少し短い方が、気楽に見られたのではないかな。

とつづったところ、笑の大学のブログが、ココログで公開されているのに気づいたヨ。

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