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November 20, 2004

隠し剣 鬼の爪

この時季、好むと好まざるとに関わらず意識せざるを得ない、クリスマスというものがやってくる。

ご想像の通り、独り身の身の上にとっては、不要なことをあれこれ考えさせられたり、何らかのプレッシャーにさらされるわけであり、困ったお祭りごとだと思う。
(今年はこともあろうに、月9のドラマのタイトルがラストクリスマスなんで、10月のまだ台風が来ていた頃からなぜだか意識させられていたですよ、まったく)。

僕の中には、そもそもキリスト教信仰がほとんど根づいていない国なのに、過度にクリスマスをお祝いするのはどうよ、という気がおおもとにはある。そういうのって誠実じゃないよ。

と思いつつも、ただクリスマスを前にして、立派なツリーがあちこちで飾られたり、イルミネーションが綺麗に灯されたり、クリスマスソングがBGMとして奏でられる。そういう街の風景というのは必ずしも嫌いではない。
そういう街を歩くのって、たとえ一人でもなんだかいいよね。

それで、この季節の雰囲気にくるまれると、僕はついつい大学の頃を思い出してしまう(ああ、もう10年も前だ)。

というのも、僕が通ったのは、名古屋のカトリック系の大学だった。 
クリスマスになると、キャンパスの片隅にイエスが生誕した厩が再現して建てられていた(東方三博士の礼拝とか、そう言われているシーンだ)。木々には電球が吊るされ夜になるとイルミネーションが灯っていたし、キリスト教概説の講義をしている神父の先生がサンタクロースの格好をしてクリスマスパーティーのビラを配っていた。

悪くはない。
もちろん、こうだったからといってその大学の教育研究機関としての評価は別なのだけど、僕としては4年間通ったわけだし、そういうところだったと後から振り返られるのは、けっこういいものだ。
思い起こすと僕も、聖書を買ったし、キリスト教の講義も2年間は受けたわけだ。だから信者ではないとしても、クリスマスに名目的に参加するくらいの権利は、そこで得られているのではないかと思う。だからこのシーズン、街を歩いて雰囲気を楽しむくらいはよいのだ(たぶん)。

さて、隠し剣 鬼の爪を、川崎のCINECITTA'で鑑賞する。
見終わって、ああ、いい映画だったなあという気持ちで、大変満足した。僕にとっては、今年の邦画のなかではたぶん、解夏下妻物語と並んで忘れられない作品になるだろう。

とはいいつつも、邦画だし時代劇だし、タイトルもヘンテコだし、たいしてヒットもせずすぐに上映打ち切りになってしまうんだろうな、と思う。
お話は、このタイトルからは想像もつかないけど、永瀬正敏演じるだらしな系の侍と、松たか子演じる萌え系な女中との、純愛ストーリーなのだ。もちろん、ほんのちょこっと、殺陣もある。
松たか子は、ドラマHEROでの好演を見て以来、僕としてはわりと好きな女優のうちの一人に数えているのだけど、そういう個人的な贔屓目を割り引いても、この映画は素敵な一本だと思う。

そもそもサムライを描いた映画としては、1年前のラストサムライより、100倍くらいいいよ。米国人にそそのかされて名誉のために内戦を起こすサムライの姿よりは、こういうお侍さんの姿のほうがわが国にはふさわしいと思うのだ。

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