« 解夏 | Main | パッチギ! »

February 12, 2005

アレキサンダー

歴史を舞台にした大作映画はわりと好きだ。ということで、今日はアレキサンダーである。

歴史大作といえば、この前のトロイは残念ながら見逃してしまったけど、印象深いところではローマ帝国時代の剣闘士を描いたグラディエーターや、アメリカ独立戦争を描いたパトリオット など…。ま、公開されればだいたい足を運ぶ。
なかにはラストサムライみたいに、なんじゃこれは (゚Д゚)ゴルァ!!…と叫びたくなる映画にも遭遇するけど。

映画を見た後は、歴史が好きで買い揃えた世界の歴史(全30巻!)—ふだんは本棚の肥やしとなっているこのシリーズが役立つ時間でもある。
帰宅後に、該当の時代の巻を手に取り、史実をひもとく。映画の舞台になったその時代その国、その人物を取り巻いた状況は、実際のところどうだったのか。
映像の余韻がリアルに残っているうち、そんなことに思いを馳せるのは、映画鑑賞そのものにも増して楽しい行いなんだよね。

さて、「アレキサンダー」だが、世界史上最大の英雄であるアレクサンドロス大王の物語というのは言わずもがな。
紀元前4世紀に生きて、ギリシャの王となって宿敵アケメネス朝ペルシャを倒し、東征して遥かインドにまで足を踏み入れた人だ。そこまでのことをいまの僕の歳にまで成し遂げ(!)、そして死んだ。

しかし、アレクサンドロス大王の生涯を描いたこの映画、見る人によっては現実の世界情勢を重ね合わせてしまう。
なにしろ理想に忠実で無垢なアレキサンダーが「被征服民族を解放して自由を与えた」「父のなしえなかったことを遂げた」と発言する。思わず、お前は彼の国の大統領か、と突っ込みを入れたくなる。

この映画にイラク戦争を見るのは僕だけではないようで、いくつかのブログでもそんなコメントは目にした。
敵の王ダレイオスビンラディンにそっくりだし(しかも山岳地帯に潜伏して逃げ回る!)。占拠したのはバビロンだし。
大王の征服路はまさに現在のイラク、イラン、アフガニスタンの辺りを駆け抜けていっているわけだし。

意図しているのかしていないのかわからないけど、でもおそらくはこの監督流の仕込みなのだろう、そんな見方をしてしまう映画ではある。
語り部のプトレマイオスにも、ラストに「何が理想だ! 彼がやったことは征服と略奪だ」と口走らせているしね。

ま、その辺の感じ取り方は人によって様々としても、歴史大作としてはそれなりに楽しめる作品だと言える。
コリン・ファレルのちょっと優(やさ)男系な表情もgood! トラウマ抱えた同性愛嗜好の大王を演じるにはまさにナイスな配役だったという気がする(しかも、彼の国の大統領にも風貌がそこはかとなく似ているし)。
ストーリーとしては、ちょっと冗長な気もするのが残念だけど。でも、映像としてはガウガメラの戦いを鳥の眼で俯瞰できるし。バビロンの都も圧巻だし。いやあ、期待通りの歴史絵巻を再現してくれます。

つまり、歴史大作の醍醐味とはこういうことなんです。

よく、僕は博物館の企画展に足を運び、そこに並べられた歴史のカケラを鑑賞する。
幾千年の年を経て発掘された土器や金属器や像などの遺物。そうした断片から当時の様子がどうだったのか、一生懸命思いを馳せる。
でも、映画の映像表現は、その、僕が想像しようとしていたものをたやすく目前に繰り広げてくれる。ダイナミックに、そしてとてもクリアに。もちろん、それが本当の歴史の光景ではないのだろうけど、タイムマシンがない以上そんなことを突いたってしょうがない。
歴史学や考古学が明らかにしたものの上に途方もなく膨大な金をかけ、最大限の想像力を駆使してスクリーンに再現する。そんな現代の絵巻物を楽しむ。

これが、たまらないんだよね。


ところでまた全然話は変わる。
ふと、理系と文系のボーダーについて書いてみたくなったのです。

僕は実は文系出身の人間。にも関わらず、いまは技術系の仕事をしている。
すなわち所属している職場は、理系出身の人たちが多数を占める職場である。
そんな環境で仕事をしていて気づけばかなりたっているけれど、いまさらながら理系のカルチャーって文系と違うよな〜って思う。つくづく。

このことは、いつか整理して書いてみたいと思っている。
ここであえて一つだけ、理系の職場の特徴を挙げておくとしたら
 会話に下ネタが少ない
これを指摘したい。

新人の頃、営業部門でOJT(On the Job Training)をした時の記憶をひもとくと、会話のオチはたいてい下ネタで落とすのが定番だった。毎回毎回あまりに見事にそこに落ちるので、感動すらした覚えがある。
それに比べ自分が配属になった技術系の部門では、そんな会話は全くなかった。同じ社内でありながらこの違い! 以来10年、技術系の職場に居続けているが、雰囲気は変わらない。

会社では、社外講師に委託したセクハラ研修が定期的に実施される。けれど、そのような研修はこの人たちには無用なのではないかとさえ思う。
(実際には顕在化しない事例もあるだろうから、研修もそれなりに有効なんだろうけどね…たぶん)。

といっても、これは僕の限られた範囲で見ているだけだから、実際には下ネタが頻繁に交わされる理系の職場というのもあるのかもしれない。

他の会社では、どうなのだろうか?

少し前のこと。学生時代のサークルの後輩の女性が、システムインテグレーターの名古屋の支社に派遣社員として勤めることになった。彼女もずっと学校が文系で来ていて、派遣社員になる前も東京の文系の会社(出版社)に正社員として勤めていたという人だった。

そんな彼女に、職場に下ネタがないよね、という話をしたら、「そうそう」と大きく頷いて同意された。
だからやっぱり、そういう傾向は会社は違えど見られるのだと思う。
そして、彼女にとって初めてとなる理系の職場は、なかなか居心地がよいらしかった。
女性には理系の職場、これオススメかもしれない。僕もそういう方面の話は苦手なほうなので、理系の職場はたしかに居心地悪くない。…のかな?

ま、本当言うと僕は文系といっても経済や法科ではなく文学部の出身だから、文系のなかでもまた特殊な感覚をもつところを出ているんだけどね。
実は文系における文学部のポジションは、理系における理学部と同じである…ということも機会があればまとめてみたいけど、今日はとりあえずこの辺で。

|

« 解夏 | Main | パッチギ! »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference アレキサンダー:

« 解夏 | Main | パッチギ! »