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March 12, 2005

ローレライ

いろんなものを彷彿とさせる映画だよなあ。

ローレライ
なんと、超兵器を積んだ潜水艦という荒唐無稽な設定。舞台も、終戦間際というリアルな状況を選んでいるように見えつつ、そのほとんどは架空のもの…。
戦争末期の話というから、もっとシリアスな作品かと思って見に行ったら、なんともポップな歴史観にぶっとんだ。
むむむ。

で、あれこれ彷彿させるというのは、先立つ作品に、設定や要素として似たものが散見されるということだ。

まず、潜水艦である。弾薬を使わず操艦技術を駆使して圧倒的な量で迫り来る米国艦隊を打ち破る、という部分は、なんといっても沈黙の艦隊を思い出す。
また、終戦間際に、突如として現れた新兵器を使って“あるべき終戦の姿”を模索するという点では、同じ作者が現在連載しているジパングに通じるものがある。

新兵器を積んだ潜水艦の映画ということではレッドオクトーバーを追えもあるかな。
艦が危うい状態になった時に、士官が自己犠牲で仲間を救うシーンなんかはK-19かなあ。

そして、戦闘中に深海から歌が聞こえるという設定は、これはなんといっても超時空要塞マクロス。これでしょう!
そう、リン・ミンメイである。
いやあ、あのマクロスの設定はすごかった。宇宙空間を目前にしたステージでかわいいアイドル歌手が、キュートでポップな歌をうたい、それがそのまんま戦争の武器になるというシーン(なにせ、マクロスの物語世界の宇宙人は“文化”を知らない。歌を聞くのも初めてなので混乱してしまうのだ)。
これにはぶっとんだな〜。
平和の象徴である歌を、戦争に使う! すごいシナリオ考える人がいるものだ。
まあ、そうでなければマンガやアニメの系譜のなかに一石投じる作品にはならなかったわけだろうけど。

…おっとこれは、マクロスのブログではなかったね。

あと、日本海軍が密かに開発した超性能を誇る軍艦という設定も、かつてどこかのマンガであったよね。終戦後も身を隠したまま正義の味方になり、世界の平和を守る、という話があったと思うけど。
サブマリン707、あるいは、ビッグ・1か? いや、海底軍艦轟天号だな)。

とまあ、原作者のせいなのか、映画の制作者が意図したのかはわからないが、これら過去の作品をけっこう意識しているんじゃないだろうか、という気がした。

…と書いていて思いついた。これは、実写の形をとっているが、アニメなんだ。
リアリティを出すために舞台は宇宙ではなく海、時代は未来ではなく近過去を設定している。そしてモビルスーツや宇宙戦艦の代わりに潜水艦が活躍する。
でも中身はまさに、オタク世代のためのストーリーなんだ。
そうだったんだ!

そもそも原作者の福井晴敏さんは、ガンダムファンなのだ。先日、ガンダムに関するテレビ番組に登場していて、その姿は、ちょっとしたオタクっぽさを醸し出しているようであった。
ということで、原作者は、僕らの世代がその発展とともに触れてきたアニメやマンガというものに、かなりの程度関わりを持ってきた人だと言える。だから、先立つさまざまな物語の要素を、意図して隠し味のように溶かし込んだに違いない。

しかしなんだかんだ言っても、この映画、物語の展開としてはうまく仕上がっている。
最近見たなかでは比較的よくできた作品だと思うよ。少なくとも娯楽として、人におすすめできる一本ではある。

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