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August 28, 2005

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲

kureyon_5僕らのまわりのいたるところにイエスタディ・ワンス・モアはひそんでいて、過去への郷愁の虜にしてしまおうと手ぐすねをひいている。

たとえば、新横浜ラーメン博物館のなかに再現された、昭和33年の夕焼けの下町。ラーメンとは本質において何の関係もないのだが、この空間が魅力となって多くの人びとを招き寄せる。お台場にできた台場一丁目商店街もしかりであろう。

あるいは、続々と発売される過去のアニメーション作品のDVD作品。かつて夢中になっていたアニメがDVD化される。いい大人になって…と思う反面、大人であるがゆえに少なくない金額を出費することも可能。思わず購入してしまう御仁は少なくないようだ。

そして2005年に入って、イエスタディ・ワンス・モア勢力の策動は一つの頂点に達した。それは…。

祝日「昭和の日」の制定である。
ご存知の人も多いだろうが、いまみどりの日とされている4月29日。それが、2007年から昭和の日という祝日になってしまうのだ!

イエスタディ・ワンス・モアはついに、過ぎ去ったものへの郷愁を国家の制度のなかに位置づけることに成功したのである。
おそるべし…。

さて。


kureyon_0なんでこんなに泣かせる映画なんだ…。

これは、まったくたいしたアニメーション作品だ
いや、その噂を聞き及んでいるからこそ、DVDをレンタルしてきたわけなんだけど。鑑賞してみて、評判にたがわぬ内容であることに改めて納得させられた次第。

そのタイトルは、クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲

クレヨンしんちゃんだからと言って、侮るべからず。というか、これクレしんの映画作品の体裁はとっているけど、子供向きのお話になっていないよ! このストーリーを堪能できるのは、大人しかないじゃん。
見れば明らか。

クレしんの映画シリーズがただものではないことは、以前もTVで放映されているのを眺めていて知っていた(以前のブログ)。だけど、この作品自体は見ていなかった。

bsanimeこの作品を知った直接のきっかけはといえば、BSアニメ夜話で紹介されていたから、ということになる。
例によって、岡田斗司夫が熱弁を振るっていた。

そのBSアニメ夜話のナレーション内容をそのまま移して、ストーリー紹介をしておこうか。(うちのHDDレコーダーに、まだ残っていたのですハイ)。


kureyon_12001年に公開された、クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲。監督は、TVシリーズも手がけた、原恵一

しんちゃん一家の住む春日部に、20世紀博がやってきた! 高度経済成長のシンボル、大阪万博を再現。懐かしのヒーローになって遊ぶこともできる、大人のためのテーマパークだ。
しんのすけとひまわりをほったらかし、ひろしとみさえも20世紀博に夢中…。

kureyon_2しかし、この20世紀博の裏には、秘密結社イエスタディ・ワンス・モアの陰謀があった。リーダーは、ケンとチャコ。

20世紀博のとりことなった大人たちは、どこへ行くのか。

20世紀博のなかに広がっていた世界。そこは、昭和の日本。懐かしい匂い漂う夕焼けの街。
誰もが、貧しくとも未来への希望に満ちた暮らしを送っていた。
ケンとチャコのねらいは、古きよき20世紀の日本を取り戻すことだったのだ。

連れ去られた大人たちを取り戻すため、しんのすけ率いるカスカベ防衛隊が、イエスタディ・ワンス・モアと壮絶な戦いを繰り広げる…。

kureyon_3過去と未来、ひろしはどちらを選ぶのか。

TVシリーズとは一味違う、大人からも支持を得た作品だ。

(以上、BSアニメ夜話でのナレーションによるストーリー説明より)。


と、この説明からもわかるとおり、たびたび出てくる20世紀博のなかの風景が、昭和の日本なのですよ。
昭和の日本を模して作られた夕焼けの街を駆け抜けながら、「チキショー、ここはなんでこんなに懐かしいんだ!」と父親ひろしが叫ぶ。

Amazon.co.jpのレビューでも書かれているが、そのひろしの回想がこの映画のなかで最も感極まるシーンの一つ。僕は、思わずウッて来てしまったよ。


父親ひろしを大人に戻すために、ひろしの靴を鼻にあて“大人のにおい”を嗅がせる。そんなクレしん的なギャグ・アクションから一転、ひろしがそれまでの半生を振り返る、回想シーンへ。

kureyon_4父親がこぐ自転車の後ろに座って、背中を見上げていた子供時代。学校に通い、やがて都会に出て働き始める。
そして結婚して子供ができて、会社の仕事に疲れつつも家庭を支え、支えられ。こんどは我が子を、かつて自分がそうだったように後ろに載せて、自転車をこいでいく…。

こんなシーンがしばらく続く…。
“大人のにおい”のなかで、父親ははっと我を取り戻す。そして、自分が半生をかけて獲得したもののために戦う。

おい、しんのすけじゃなくて、ひろしが主役になってるよ。

でも、そもそもがそういう映画なのだ。

鑑賞していて、“チキショー、なんでこんなに泣かせる映画なんだっ”。…と、僕も叫びたくなる。
そんな僕はいまだ一人暮らしの身の上。いや、三十路で独身でいることに、ホント申し訳なくなるような作品です。


…。

平成という新しい時代がまもなく20年を迎えようとする年に、いまさらスタートする昭和の日

思うんだけど、昭和の日を推進してきた人たちって、ケン、チャコと同じく将来、この先の時代のことは視野になかったんだろうなあ。
これから昭和にリアルを感じない世代がどんどん増えてくるのに、自分たちが生きてきた時代だけ特別なものと考えて、祝日にしてしまって…。

これぞまさに、われわれの内なる心が常に抱く“イエスタディ・ワンス・モア”が招き寄せたものの、きわみといえるだろう。
昭和の日は現実社会に築かれた、“20世紀博”なのだ。

ということで、再来年から導入される昭和の日には、ぜひともこのクレしんを上映すべし!
そしてこの21世紀、平成の僕らの時代こそが大切なのだと、改めて噛み締めるべきなのだ。

前を見てイ㌔。

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Comments

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