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September 25, 2005

森の劇場

20050925_thankyou宴の終わり…。

半年に及んだ愛・地球博もとうとう幕を閉じました。

ということで4度目、最後の万博訪問記を掲載します。
2005年9月25日。愛・地球博最後の日に、長久手瀬戸両会場を巡ってきました!


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●2016年までやってこない

振り返ればこの博覧会は、10年少し前、僕が名古屋で大学生だった頃にまさに、やるかやらないかで議論していた。
“幻の”名古屋オリンピックのトラウマを抱え、新たに飛びついた万博というアイデアを推進しようとする行政と財界。それに対し、保守的で新しいものを受け入れずケチな愛知県民のこと。賛成の人はもちろん皆無だった。
「そんなもんやらんでええ」「行かん」「道が混むがや」…。

東京に出てからも、気になる地元のニュースとして動向を傍目に眺めていた。
1997年に開催が決まった時にようやく全国ニュースとなった。東京でも「なにをいまさら万博なんて」という反応だったけど(当然か…)、同じことはその前から地元ではさんざん議論してきたのだ。

開催決定後の紆余曲折もいろいろあった。自然を保護するために会場が海上(かいしょ)の森から青少年公園に変更。大阪万博を仕切った堺屋太一氏を顧問に招いたが、折り合いがつかずに追い返し。なんだかいろいろあるなあと、東京からウォッチしつつ感じていた。

そういう意味でここ10年くらいの自分史のなかに、万博は、つねに片隅に存在していたトピックだったと思う。
(それにしても…新しいものに頑に否定的だったこの土地の人たちが、こんなに盛り上がって万博に押し寄せ、目標を大きく上回る入場者数になるとは、、かつての議論からは予想だにせんかったよ)。


20050925_expoそして、これは自分の問題だけでなく、国家についても言える。
日本の国にとって、この万博はここ10年の集大成だったんではないだろうか?

20世紀末から21世紀の初頭にかけて、いくつかの国家イベントが重なった。
1998年、長野冬季五輪
2002年、FIFAワールドカップ
2005年、愛知万博

そしてこの先の10年を考えると…。実は当面、国家イベントってないんだよね。
2016年のオリンピックに東京が立候補しようとしているらしい。ということは、これだけははっきりしている。
この先国際的な大規模イベントが開催されることは、少なくとももう10年以上ないのだ。

考えれば、20世紀末からの一連のイベントはその前の10年期、つまりはバブル経済の時代に企画されたものだ。愛知万博は、その最後のよすが。そう思うとこれは10年どころか、実にここ20年に渡る諸々のことの、集大成だったのかもしれない。

イベントが実際に開催された頃は、一転して経済は絶不調に陥ったという皮肉なめぐりあわせ。
その約10年におよぶ不景気で、日本はそんな浮かれたことにカネを使う余裕はなくなった。脳天気なことは言っていられない国に落ちぶれてしまったのだ。
経済が徐々に上向きになってきたいまだから、オリンピック立候補の話も出てくるのだろう。この先も、いろいろなイベントの計画が動き出すだろう。でも、それらが実を結ぶのは、そんなにストレートに行っても2010年代の半ば以降だろう。もしかすると2020年代になってしまうかもしれない。

つまり、この日は僕が10年間ウォッチしてきたことの締めくくりであると同時に、この先10年間、大いなる空白への幕開けだと言える。


●いざ、ラスト万博ツアーへ

20050925_aichikuhiroba報道を見ていると、9月に入ってからの万博の熱気は増すばかり。
僕の最初の万博訪問がゴールデンウィークの真っ最中。その日は開幕以来最大の入場者数となり、たまたま訪れたニュージーランド館の人も「こんなに人がいるのは初めて〜」と目を白黒させていた。

それが9月に入ってからは、日によってはそのゴールデンウィークの2倍近い入場者が押し寄せているわけで、会場はなんともものすごいことになっていることが予想できた。
「万博にはもう行かないほうがいいと思う。でも行かないと終わってしまうので、あらゆる犠牲をいとわないなら行くのもありでは」。
ラスト万博ツアーを考えていると地元の友人にメールを打ったら、こんな返信があった。

僕も、お盆に帰省した時に3度目の訪問となる万博夜間ツアーを決行し、それでだいたい満足したはずだった。けど、閉幕が近づくに及び、せっかくだからもう1回行っておいてもいいんじゃないか。
行くなら、閉幕日に立ち会うのが、歴史的で面白いんじゃないか、そんな考えが頭をもたげてきた。

まあ、考えてみればワールドカップの決勝戦の時も、チケットもないのになぜか新横浜にいたわけだし(そもそも横浜市内に住んでいるから行けたわけだけど)。あの時は新横浜の寿司屋に入り、他のミーハーな人びととともに液晶テレビでブラジル・ドイツの決勝戦を観戦して雰囲気を堪能した。
しかもチケットが手に入らないワールドカップと違って、万博は4,600円払えば入場券が買え、会場には入れるのだ。


nagoya_station奇しくも、愛・地球博を楽しみに名古屋の親戚を訪問したにも関わらず「万博混んどるがや」という理由で、笹島サテライト会場「デ・ラ・ファンタジア」のほうに連れて行かれてしまった(!)不運な知人がいた。最後に一緒に行ってみませんか、と声をかけたところ「行く!」と返信が来て、僕のラスト万博ツアーは決行される運びとなった。

今回は実家に寄らず、日帰りの日程。新幹線の「早起き★万博早特きっぷ」を購入に駅に走る。JRの新幹線愛知万博往復きっぷは、通常19,800円なのだけど、この早特きっぷは6時台ののぞみに乗ることで16,800円という、大変お得な切符なのだ。

折も折、関東の海上には台風が接近しており、果たして時間通りに新幹線が動いてくれるのかけっこう危惧したんだけど、当日それは杞憂となった。
東京駅で知人と待ち合わせ、6時26分発ののぞみに乗り込んだ。

名古屋から万博。通常ルートだと、市内を東西に結ぶ動脈路線・地下鉄東山線に乗って東の端っこの藤が丘駅まで行き、そこでリニモに乗り換えて万博会場まで…となる(前々回は御器所の友人と待ち合せ、このルートで訪問した)。
20050925_linimoこれがJRだと、中央線で名古屋から高蔵寺まで行き、そこから一転愛知環状鉄道の線路に入って、万博八草駅に至るエキスポシャトルを運行している。そして藤が丘とは逆方向の始発駅からリニモに乗って万博会場に至る。

愛知環状鉄道は、万博が開かれるまでは2〜3両の列車が20分に1本くらいの割合で走るい単線の電車。もともとは旧国鉄の路線を第三セクター化したものだ。そこに10両編成のJR東海の車両が滑り込むのである。僕も最初見た時は、ちょっとありえない光景だと思ったけど、それが万博がもたらしたものということだ。


●東京よりすごいわこりゃ…混雑に戸惑う

20050925_cart長久手会場に着いてからは、どえらい混雑。
それでも後から考えると午前中はまだ空いていた。午後に至ると会場は、人、人、人…。もう4回目なので会場内の地理は勝手知ったるものなんだけど。しかしこの人の多さ、スムーズな歩行は困難なほど。

思えば、ゴールデンウィークの時は「ひゃー人がいっぱいだわ〜」とおばちゃんたちがぼやいていても、「いやいや、休日の新宿や渋谷にはもっと人がいるのですよ」と思わず諭してあげたいくらいな程度だった。
20050925_konzatsuしかしこの日は…正直、東京でもこんな人出はそうそう出会えないよ!

まあ、僕はこの人の多さも含めて雰囲気を楽しむ余裕は持って来たんだけど。そしておそらくは通し券を持っている地元のリピーターが、最後の日だからとけっこう来ているんだろうけど。しかし、これで初めて来た人なんぞ、災難以外のなにものでもないよね。

そんななか、やはり東京の知人にマンモスは見せとかなきゃいかんだろうと、入場と同時に整理券の列に並び、グローバル・ハウスオレンジホールの観覧券を手に入れていた。グローバル・ハウスは博覧会協会の出展する館で、館内のショーとマンモス観覧がセットになっている。
20050925_globalhouseオレンジホールの2コースあって前回を見たから、オレンジのほうも見れるなら御の字だ。

と思っていたのだけど…。会場を巡っている最中に知人がちょっと困ったような顔で相談。なんと、あいにくなことにその整理券を知人はなくしてしまったという。ありゃりゃ。
まあ、わしも冷凍マンモスは俺もう3回見ているし、もういいか〜、と思って僕の整理券を差し出す。

20050925_hiyoke友人がグローバル・ハウスを観覧している約1時間の間、僕は一人でどこか外国館でも巡ろうと思いきや、グローバル・コモンも大いなる混雑。こりゃかなわんな〜と思ってうろうろ。
持って来た携帯ラジオで、なんとなく万博オフィシャルラジオ局のFM LOVEERATH(77.3MHz)なんて聴いたりして。
そうこうしていると、愛・地球広場では閉会式の中継が始まった。遠方の大画面に映る豊田章一郎氏や皇太子さまの姿を傍目に見つつ、一方で日陰を求めて休憩する人びとの群れとか、果ては通路(グローバル・ループ)の脇で寝るやつとかに遭遇。

20050925_nekorobuただ日差しは強くとも風はあり、秋を感じさせるさわやかな気候だ。前々回と前回は夏の蒸し暑い時期に訪れたわけだけど、その時とは全く違い心地よい風が最終日の万博を吹き抜ける。ああ、これで人が少なかったら。


とりあえず訪問した館のメモを。
比較的空いている館などを選んで、午前にベルギーアイルランドリトアニアを訪問。ベルギーではワッフルを求める人の列を目にし、リトアニアではリトアニアビールを飲む。
友人がグローバル・ハウスを観覧している間は国連国際熱帯木材機関(ITTO)など(いまから言うのもなんだけどITTOはほとんど何も展示がなかったぞっ。何のために出展しているのだ?)。

20050925_globalcommon知人が名古屋駅の近くで買いたいものがあると言う。知人だけ先んじて4時過ぎに万博会場を後にすることに。それまでの間、カナダ館に並び、続いて前回訪問して面白かったアフリカ共同館に向かう。

が、ここがたいそうな混雑…バシ、ギシ、アギャ。まさに通勤ラッシュ時の駅以上の状態になっていて前へ進めない。うーーん。ここは通好みのパビリオンで、もともと空いているところではなかったのか? 急にアフリカフリークが増えたのか??

残念ではあるがアフリカ共同館はそうそうに退散。とりあえず知人を北ゲートまで送る。


●3億円バスで瀬戸会場へ

20050925_bus1友人と別れると4時過ぎ。この日は、帰りの新幹線の都合で、6時過ぎには会場を後にしなければならない。
さて、一人になってどうしようかと考えて、頭にあったプランを決行することに。それは…「瀬戸会場に行ってみよう」。

前々回も訪問した瀬戸会場。もともとはそこの森を切り開いて万博を開催し、住宅地を造成する予定だった。それが自然保護のため計画が変更になり、長久手の青少年公園がメインの会場になったという経緯がある。

瀬戸会場には瀬戸愛知県館・日本館市民パビリオンなどがある。
僕は、この土地の自然を映像で見せてくれる、瀬戸愛知県館の「森の劇場」の公演が実はこの万博のアトラクションとしては最も印象に残っている。だから、できればもういちど行きたいなあとは今回思っていたんだよね。

10時閉場の長久手会場より一足早く、瀬戸会場は6時に終わってしまう。
いまからなら、ギリギリだ。

ということで、長久手会場瀬戸会場を結ぶモリゾーゴンドラに連なる30分待ちの列に並び始めた。…のだけど、強風のため運行速度を落とすという。ええ〜っ。
と、そういえばゴンドラの他に、2会場を結ぶバスがあったはずだ。

20050925_bus2バス乗り場に行ってみると、それはなんと燃料電池バスだった。また、なんとも理系ココロをくすぐるものに出会ってしまったわい。らっきい。
1台3億円というそのバスに乗って、瀬戸会場へ。燃料電池だから、大変静かだ。バスのなかでは実写とアニメーションを組み合わせたビデオが上映され、燃料電池車開発の意義について優しく説明される。

最後になって、地球の未来を感じさせる乗り物で運ばれました。


●森の劇場、フィナーレ

20050925_higure夕方の瀬戸会場

足早に愛知県館のほうに向かうと、「17時から万博最後の公演が始まります」という。待ち時間なし。おおっ、期待していた通り観覧できそうだ! しかも最後だという。

わしもこれで帰らねばならんし、、ラスト万博ツアーの、ホントにラストである。

20050925_setoaichikenkan瀬戸愛知県館の入り口付近、森の書斎
ここで入場を待っている間、最後ということでアテンダントの一人が代表して挨拶があり、列に並ぶ人たちに一つ一つ記念品が配られる。

ああ、これで終わりなんだなあという実感が胸に迫ってくる。

そして、館内に案内され着席。鑑賞にあたっての注意をアテンダントが述べる。
お姉さんももう半ば、涙声だ。
「館内では(ウッ)携帯電話の電源を(涙)お切りください(涙涙…)」てな感じ。でも、観客のほうもそれに温かく拍手してしまう。そりゃ、3月25日から185日間、毎日毎日途絶えることなく案内してきたものが今日で幕を閉じちゃうんだからね。感極まるよね。

「それでは、瀬戸愛知県館最後の森の劇場…“特別バージョン”でお送りします!」

裾から白い衣装を身にまとった3人の歌い手が登場。美しい歌声を奏でる。おや、これは…たしか前回鑑賞した時は一人だったはずだ。3人も揃うとは、これが特別バージョンってことなのかなあ、とつらつら思いながら、最後の映像に目を凝らす。

ナレーションが始まる。
名古屋という大都会の近くにある、この海上(かいしょ)の森のこと。はじめはここで万博をやろうとしていたこと。自然と共存するためにさまざまな工夫を凝らしたこと。この山が、焼き物を作る人間の手でいったん禿山になり、そしてまた森林を復活させたこと。自然は叡智だけでなく、時に怖さも見せつけること。
そんなことが、この海上の森で長い時間をかけて撮影してきた昆虫や森の写真や動画が大アップにされるなかで説明される。

人が増えると自然を壊すことになってしまう。では、自然を守るためには人は増えないほうがいいのだろうか? その問いに対し、「私たちはただ、この森を残せてよかったと思うだけです」というセリフで、森の劇場は終わる。

20050925_morinogekijoああ、終わっちゃったよ。
パチパチパチパチ…。

終わってから、この半年間の公演を支えた声楽家のみなさんが前方に勢揃い。最前列の観客から花束が贈られる。おお、いつの間にしかけていたのだ。粋な演出、いいよね。

「みなさま、この万博の最後に瀬戸愛知県館にお越しくださり、本当にありがとうございました」
パチパチパチパチパチパチパチパチ…………。


20050925_hosokawa●さよなら愛・地球博

公演が終わると、そのまま森の劇場の前方に開いた扉から、森の回廊へと案内される。ここは、地元愛知県下の小中学生がリサイクル素材で工作した作品がケースに入れられて展示されている。
前回も確認したのだけど、かつて卒業した小学校のケースがあるのを見つけ出す。今回はついつい、カメラに収める。

森の繭のわきの廊下を抜け、地階に下り出口へ…。

20050925_attendant出口から再び階段を上って、入口のほうへ上がって行くと、日本館愛知県館それぞれの前でアテンダントさんたちが並んでお辞儀。みなさん、半年間本当におつかれさまでありましたよ。

会場が醸し出す最後の雰囲気を味わいつつ。帰りの電車の時間もあるのでそそくさとゲートの方向へと足を向ける。

20050925_voluntier瀬戸会場の出口へと連なる渡り廊下には、おそらくは市民パビリオンを支えたボランティアの人たちだろうか。ちょうどうちの親くらいの歳頃の人びとが列をなしている。
いい笑顔を浮かべ、手を振って最後のお客を見送る。
アテンダント、ボランティア、運営に関わったスタッフ。いろいろな人たちにとって、彼等の人生にまたとない活躍の場を与えたんだろうな、この博覧会は…。

ゲートで、記念にバッジを貰う。

そして日暮れとともに、瀬戸会場は幕を閉じた。
長久手会場はまだあと少しの時間、夜の10時まで開いているのだろうが…。僕はシャトルバスに乗り込み、帰りの電車が来る万博八草駅に向かわなければならない。駅に向かうバスの車内では、幼い男の子と老婆がこんな会話を交わしていた。
「キッコロはね、これで森に帰っちゃうんだよ」「そう、森に帰るのね」
そんなやりとりを耳にしつつ。そうだね、森に帰るんだよね。

さようなら、愛・地球博。
2005年日本国際博覧会。

僕も、十二分に楽しませてもらいました。


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September 20, 2005

タッチ

かくして1つの世代というものを、実感せらるる。

かつてヒットしたコミックであり、TVアニメとしてリアルタイムで観ていた作品が映画化されると知って、ついつい足を運んでしまった。タッチである。みゆきではなくタッチなのである。みゆきのほうが思春期の匂いに満ちているのだが(憶い出がいっぱい♪)、タッチである。タッチ、タッチ、ここにタッチ あなたから〜♪
(写真は、goo映画の画像を表示 http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD7526/gallery/i001.html

これはちょうど僕が中学校の頃、日曜の夜に放映されていたアニメだ。あの年頃に目にしていたものはやはり印象深く、ビビッドに記憶に残っている。
インパクトがあったのは、TVアニメではなく映画の「タッチ 背番号のないエース」のほうだなあ。映画のラスト。カッちゃんが事故で死んだ日の試合に、タッちゃんが突如として登板するんだよね。なんというか、鮮烈な印象がある。

今回のタッチを見に行った理由にはもちろん、ヒロイン・浅倉南役の長澤まさみがけっこうかわいいというのもある。笑顔がナイスで、ちょっと舌足らずな口調が特徴の女の子。ところが、職場で長澤まさみという名前を出してみたところ、「誰それ?」「知らない」という。なんと。セカチュウとか観てないんですか、みなさん。

となると、挿入歌として懐かしの「タッチ」をカバーしているユンナなんて、知名度は当然皆無。彼女は17歳の韓国人シンガー。この前デビューして♪ほうき星がヒットしていたというのに、、これじゃまさしく星屑ロンリネス…。
仕方ない。同僚たちの大半はもう三十路を過ぎ、結婚して家庭を構えているのだ。人にはそれぞれ、その立場にふさわしい話題というものがある。長澤まさみの笑顔がいかに素敵だろうと、そんなものに関わっている暇なんてないのだ。

さて。
それで、鑑賞中にはやはり、「背番号のないエース」のインパクトが強かったせいもあって途中、おいおいここで達也が登板するんじゃないんかよ、と思わず言いたくなってしまった。でも、よく考えてみればそれはかつての映画版の演出。うん。TVアニメや原作では、淡々と話が進んでいくんだったね、たしか。

さらに思い出してみると、あだち充の原作のコミックは、僕の記憶ではも少しそこはかとないテンポ、ユーモア感みたいなものがベースに漂っていた気がする。ダメ兄貴の達也の、ひょうひょうとしたおとぼけぶりとか、そんなところだ。
そういった原作の独特の醍醐味は、実写化にあたりかなりそぎ落とされてしまったように思う。そしてその分、南をめぐる恋愛ドラマとしての側面が強調されているのかな? …そんな感想を抱いた。

まあ、タッちゃんカッちゃんを演じているお二人はけっこうイカすルックスだし、まさに主役として双子を揃えられただけで御の字なんだろうし、多くをのぞむべきではないのかもしれない。
そもそも、原作と映画が同じものでなければいけないというルールなんてないのだしね。

それにしても、思う。
このような昭和時代の漫画を原作にした映画を作って、はたしてヒットするのだろうか? この内容は平成生まれ、21世紀に青春を送る若者にはビビッドに響くのかな。だいたいいまさら野球なんて、という気もする。ということでは、その世代が観た感想というのも聞いてみたいものだが…。
しかしあいにく身近にそんな知り合いがオラン。触れ合う機会すらない。こういうところで、僕らの周りは既にディスコミュニケーションで外堀が埋まってしまっていることに気づく。

世代間の断絶というものを、改めて実感する年頃なのである。


ところで、3連休中に暇なので、もう一つブログを開設してみました。

手の内を明かせば、実は会員になっているソーシャルネットワーキングサービスのmixiのなかで、日記として公開していた内容です。でもmixiの日記だと、当然ながらmixiの会員の人しかご覧いただけないので、よりオープンなブログという形式に移行したわけです。
手作業で移したので思いのほか時間がかかりましたが、まあどうせ休日は暇な身ゆえ、適度な時間潰しにはなりましたかな。

こっちが映画に対して、あっちのブログのテーマは、本です。Bookです。…といっても例によって駄文を連ねているに過ぎないのですが、ワタシが織りなす精神世界によりいっそう迫りたい人は、あわせてご覧くださいまし。

 僕は、こんな本を読んできた。
 http://yu1o.blog.ocn.ne.jp/openbook/

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September 18, 2005

サマータイムマシン・ブルース

上野樹里がイイ!(・∀・) と聞いて、数少ない上映館を探り当てて観に行ってきましたよ。ハイ。
夏が過ぎて、気候に秋が感じられ始めた頃に鑑賞したのが、このサマータイムマシン・ブルースです。
(写真は、goo映画の画像を表示 http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD7450/gallery/i001.html )。

結論をまず言うと、コミカルななかに、青春のほろ苦さがよぎる映画でありました。

タイトルにタイムマシンが入っているということから即おわかりのように、タイムパラドックスをテーマにしたお話です。パラドックスをストーリーの軸に据えつつ、全体としてはコメディタッチで描いたライトな青春映画ね。

SFとしての根幹、タイムパラドックスについて述べておくと、たとえタイムマシンができても過去は変えられないというのが、この映画の結論ですね。
まあ、リモコンのパラドックスは、おそらくこうなるのだろうと話の途中で顛末が読めてしまいます。

で、肝心の上野樹里チャンなのだけど。物語の始めではチョイ役みたいに扱われている。正直、おいおいそれじゃ話が違うよ、と思った。だけど、話の終幕に近づくと存在感を増してくる。
いやあ、こんな娘が同じ部室にいたら。同じ空気を吸っていることを考えたら…う〜ん、微妙なドキドキ感を感じてしまう19歳。

そしてなるほど! こういうオチになるわけね。
いやあ、このラストは切ないっ ゜(´□`。)°゜

たとえていえば、身近で親しくしていて、内心思いを寄せていた女の子に、実はラブラブな彼氏がいるんだってわかった時の、あの時のポッカリとした感覚だよね。くぅぅ〜。
ここまで観て初めて、タイトルに「ブルース」とつけられている理由がわかりました。

あと、ふだん“いい友人”として接している女の子に、おずおずと、都合があえばでいいからなんて言い訳をつけて映画に誘うシーン。これも自分の経験が脳裏に浮かんでキュンとしてしまった…(´・ω・`)

ほろ苦いねえ。

映画館を出た後は手持ちのiPodで渡辺美里の懐かしのナンバー、♪サマータイムブルースを探り当て、聴きながら帰宅。


さて。

minatomiraiこの映画を鑑賞した前の日(敬老の日を含んだ3連休の初日)、名古屋から大学の学科の後輩、N君が横浜に出張してきた。友遠方より来る、また楽しからずや。
N君は学部を出て院に進んだりして、長いこと彷徨の年月を刻んでいたのだけど、昨年ようやく定職を得て働き始めたという男。思い返せばかつてはともに青春のほろ苦さを噛み締める年頃だったのだが、気づけばもはや取り返しのつかない三十路独身である(ちなみに、7月には一緒に万博に行った)。

ちょうどいい機会なので、東京にいる、同じく学科で彼と同学年の後輩の女性にも連絡をとり、桜木町で3人で会食した。ちなみに彼女は大学を出てから看護大学に進み、最近ナースになった。と思っていたら、今年は看護婦をしながら東大の院にも入って再び学問の道も志しているという。たいしたもんだね。というか、いつまで勉強し続けるのだろう?

いずれにせよ、文化人類学というマイナーな学問を学んだ身の上で、なんとか社会人をやっていけていることをお互い確認し、乾杯。

troy食事をした店が、その前の週にたまたま店の前を通りかかって見つけた、桜木町のトルコ料理レストラン。
いや、レストランというわりには店は狭く、小料理屋ともいうべきよそおい。僕はこういう店はけっこう気になってしまうので、かこつけて足を運んでみたわけ。

トルコビールとケバブ(串肉)に舌鼓を打つ。
僕は、トルコ料理に対する判断基準をもたないので、味覚については何とも言えない。ただ外観から予想した通り、店内はきわめて質素(グリーンの壁にトルコっぽいものや国旗が飾ってある)、そしてお店をやっているトルコ人男性も朴訥な感じ。こういう雰囲気が嫌じゃない人にはよいお店だと思う。

桜木町のみなとみらいとは反対の野毛側、動物園通りにある、トロイというお店です。
と、具体的に紹介しようとしても、グルメサイトでは紹介されておらず、iタウンページですら出てこない(お店のたたずまいをみれば、さもありなんという感じだけど)。いやあ、実に通好みのスポットですね。

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September 09, 2005

容疑者 室井慎次

ありきたりで月並みな感想かもしれないけど、いやあ、柳葉敏郎もたいした演技をするよなあ。
映画容疑者 室井慎次を観て、そう思った。

(写真は、goo映画の画像を表示 http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD7439/gallery/i001.html )。

ある人のネット日記に“落ちがあまりにチャチくて、ガッカリな映画だ”と、酷評に近い感想がまとめられていたし、この前の交渉人 真下正義は僕の嗜好に合わなかったし、そんなわけでほとんど期待せずに観に行ったのだが。
期待しないで観に行ったわりには、かなり僕にとってはヒットした映画であった。

踊る大捜査線シリーズのなかでも、和久さんと並んで非常に際立っていたキャラクタ。それゆえに、こうして派生モノとして別の映画に仕立ててしまうことに、賛否両論渦巻くことが予測されるが。どうなんだろう?

ま、少なくともこの作品の限りにおいては、僕は楽しめました。たしかにセットがちょっとチャチといえばチャチな場面はあって、もう少しお金をかけてほしかった気もするけれど…。
でも、おしなべて映画というものが2時間の暇つぶしとして考えると、悪くないレベルの作品だとは思います。


orange鑑賞時期は、ちょうど衆議院の総選挙の選挙期間のただなか。
僕はその期間中、9月の3日から6日まで岐阜県可児市に赴き、岐阜4区から立候補した大学時代の後輩、熊谷君の選挙事務所のお手伝いをさせてもらった。
(熊谷君に関するブログは、こちらこちら)。

 http://homepage.mac.com/yu1o/kuma/

ピュアな学生時代に、同じサークルで濃密な時間を過ごした仲間同士である。他人事ではないわけだし、選挙の応援にも身が入る。
しかし、そういう感情論とは別に、準備も足りず民主党には無風で、厳しい選挙ということも理解できた。僕の休暇にも限りがある。彼の行く末を案じつつ、横浜に帰ってきたわけだ。

こういう時には、自分への癒しも必要だ。ということで、残業も飲み会の予定もない金曜日の夜に鑑賞した映画だった。

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