« 東京フレンズ The Movie | Main | ユナイテッド93 »

September 09, 2006

グエムル −漢江の怪物−

何の予定もない気楽な土曜日。今日は隣の駅の映画館で、「グエムル −漢江の怪物−」を鑑賞した。タイトルからわかるように、韓国映画である。


ストーリーを分類すれば怪獣映画ということで、得体の知れない凶悪な生物が出てくる。だけど、怪獣が街を破壊するでもなく、軍隊と戦うわけでもない。だいたいサイズがさほど巨大ではなく、マンモスとかクジラとか、そのくらいのサイズ。こいつが人を襲うのである。

そういう意味では、ゴジラやガメラの系譜に連なる映画ではなく、たとえば現実社会を舞台にした「エイリアン」であり、陸に上がってくる「ジョーズ」とたとえることができる。

もっとストレートにいえば「漢江の怪物」の怪物は、日本のアニメーション映画「WX III 機動警察パトレイバー」に出てくる怪物と同類だといえる。あちらの映画では、ある研究機関が廃棄した生物兵器が東京湾で成長し、ベイエリアにやってくる人を襲うというものであった(もともとは、コミック版「機動警察パトレイバー」にある「廃棄物13号」が原作)。

そもそも原因は人間の側が生み出したもので(軍事関連の施設が発端)、水に棲息し、被害に遭うのは市井の人たち、というところで「WX III 」と「漢江の怪物」とよく似た設定だといえよう。


とはいえ、観終わってみると「漢江の怪物」はなかなかに面白かったし、その醍醐味は「WX III」とは別の種類のものであった(…というか、正直言って「WX III」のストーリーは僕にはあまり面白くなかった)。

というのも娘が怪物にさらわれるというなかなかに深刻な展開ながら、ユーモラスなのである。節々にジョークというか、漫才のようなかけあいが行なわれて、それが全編に渡っていた。結果として、完璧なるホラーとか、パニックアクションといったものとは縁遠いものになっている。

これが嫌な人には嫌かもしれないけど、まあ、気楽に見られていいという効果のほうが大きいだろう。


あと、少し穿った見方をすれば、ストーリーの要所要所に韓国の国内事情らしきものを垣間見ることあができた。たとえば、怪物の原因を生み出したのは米軍であり、化学兵器を散布しようとするのも米軍である。

これらは国内に反米感情があることの表象といえるのかもしれない。ま、韓国だけでなく日本国内にもこうした感情があり、米軍が事件を起こした時など露呈することがあるのはご存知のとおりであるが。

それにウイルス対策や怪物退治に進展がないのに業を煮やし、米軍やWHOが介入してくるあたりなどは、1997年に韓国の経済がデフォルト寸前に陥り、IMFの管理下に置かれた事態を彷彿とさせる。

また、怪物に接触すると感染するとされていたウイルスが、実はまったくの嘘であり、それでも体面を繕うために容疑者の拘束と調査にこだわるところ。これなどは黄教授のねつ造事件を観客に思い出させるであろう。


とはいえ、明らかに言及されたものではなくあくまで彷彿とさせる、といった程度のものである。気にせずに見てしまえば済んでしまうものだし、製作者がそこまでの連想を考えていたのかはよくわからない。


最後に。ソン・ガンホ演じる親父のダメ男っぷりもさることながら(「宇宙戦争」のトム・クルーズに匹敵する)、その娘ヒョンソを演じるコ・アソンの演技には脱帽。その素朴天然系キュートさに、三十路男のハートが激しく揺さぶられた事実を付記しておこう…。あくまで付記するだけが、それについて書き出すとまた人格が疑われるので深くは触れない。

ではっ。


 

|

« 東京フレンズ The Movie | Main | ユナイテッド93 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference グエムル −漢江の怪物−:

« 東京フレンズ The Movie | Main | ユナイテッド93 »