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September 29, 2006

時をかける少女

9月29日。

前日にオープンした巨大ショッピングモール「ラゾーナ川崎プラザ」に足を運ぶ。地元・三河にあるイオンのショッピングセンターを何倍も立派にしたようなところ。施設内にある109シネマズでレイトショーを観る。

今回は、もう遥か昔へ過ぎ去ったあの年頃の記憶、ありえたかもしれない学園生活…。そんなものへの郷愁が溢れてきて、胸がキュンとなってしまう映画であった。

時をかける少女」。

言わずと知れた、筒井康隆さんのジュブナイルの映像化作品である。


時をかける少女」といえば、かつては角川映画として映像化されたことで有名だし、その後も幾度かTVドラマにもなっている。この映画の前、僕も最後に観たのはたしか安倍なつみチャンが主演だったやつか…。あれは横浜が舞台だったな。

それが今回は、角川ヘラルド映画製作のアニメーション映画として再登場だ。

実写的な風景のなか、江川達也さんのタッチを彷彿とさせる(と思ったのは僕だけ?)現代アニメ的な造形のキャラたちが登場している。

原作を思い出すと、思春期の淡い恋の予感を漂わせつつ、SFタッチの設定を絡め、わりと切ない読後感のあるお話だったと思う。今回のアニメーションも、基本的にはそれを踏襲しつつ、現代っぽく女の子を元気でお茶目にしてある感じかな。

で今回、タイムリープのきっかけになるのは“跳躍”なのね。原作では“匂い”(たしかラベンダーの香り)がトリガーになって時間旅行していたと思うのだけど、ここは大きな変更である。


で、この日記を書くために調べていてわかったのだけど、劇中でタイムリープのことを説明してくれる主人公のおばさん。本作のオリジナルのキャラかなあと思っていたら、名前が「芳山和子」。

すなわち、原作における主人公の名前であった。

なるほど…。むかし出会って、そして遠いところへ行ってしまった恋人をずっと待ち続けていることを語るシーンがあったけど、そういうわけだったのか。つまりこの作品は「時をかける少女」が原作であると同時に、「時をかける少女」の続編だったのネ。


冒頭に書いた通り、人によってはそれなりに込み上げるものがある映画だと思う。

それで、僕が鑑賞していてなんとなく連想したのは高橋しん。さんのコミック作品「最終兵器彼女」であった。全然違うストーリーなんだけど、同じく高校生の男女が主人公で、どこにでもありそうな思春期の風景のなかに、実は非日常が入り込んでいた、という設定が似ているのだ。

もっとも「時をかける少女」はタネ明かしがあったところで終るんだけど、「最カノ」のほうはタネ明かしがあったところから始まり、延々と物語が続いてついには途方もない境地までイッてしまうんだけど。

最カノ」を読んでいる時思ったのは、異性という存在に対して抱いた不可思議さというのが、発想の原点にあるんじゃないかなあということ。

つまり告白してつきあい始めて、一緒に会っている時は満足できる。でもその時間を過ぎると相手が何をしているのかわからないし、何を考えているのかわからない。初めての異性との交際は、そんな不安感がぬぐえない(たぶん)。

だから、もしかすると彼女と出会っていない時には、彼女が最終兵器になって遠い外国で戦争しているなんてことも、あるかもしれない。

それと同じなのだ。ほのかな気持ちが芽生えて、好きだと認識して、でもその相手の気持ちも、学校にいない時の生活もよくわからない。もしかしたら彼がタイムトラベラーだということも、実はありえるかもしれない。

あの年頃の、異性に対して抱く憧れと裏腹になった不安感。ある時は彼女が最終兵器であり、ある時は彼氏が時間旅行者になる。そんな感覚の記憶のなかで成り立ったお話なのではないかなあと、2つの作品を結びつけて思ったのだった。

さびしい。


そういえば、筒井康隆さんの作品といえば、映画「日本以外全部沈没」も上映中であった。これ、原作は中学生くらいの時に読んだのだけど、映画はまだ観ていない。さて、どうしようかな。

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September 24, 2006

UDON

9月24日。

休日にもかかわらず、わりと早い時間に起きた。いつもなら二度寝するのであるが、天気が素晴らしくよいことに気づき、洗濯と布団干しにかかる。

さて、布団を干してしまうと、残念なことに二度寝ができないのである。そこで午前最初の上映に合わせて、映画館に向かった。


最近の新聞記事で読んだのだが、このところ邦画が好調なのだという。なるほど、それは僕の実感としても頷ける気がする。なにせ、この「むびろぐ」においても過去のエントリを見れば、邦画のタイトルが比較的多く並んでいる。

以前はこうではなかった。映画といえば、洋画、それも米国発のハリウッド作品のことをさすのが一般であった。邦画を観に行くといえばマニアック扱いされ、実際に邦画は揃いも揃ってマニア向けの作品ばかりだった。

一部の物好きをのぞいて一般人は決して観ないもの、それが邦画だった。

それがどうしたことだろうか。いまやデートでもふつうに邦画のタイトルを観に行きたいと言えるのである。なんというか、時代が変わるとか、文化や価値観が変わるというのは、こんなことを言うのだろうか。まあ、そこまで言うと実際には言い過ぎかもしれないけど、とにかくそんな気がしてしまうのである。


そして今日鑑賞した作品は、「UDON」。友人知人が何人か見たと言っていた。ちょっとした話題作なのだろう。たしかに僕もかなり前から予告編を観ており、それなりにインパクトある題名だから、気にはなっていたのだ。

邦画全般がヒットしているおかげで、いろんなテーマのお話を作れるようになったんだね、ということを実感させられるタイトルではある。一般論として、よいことなのだろう。

2時間ばかりの間、スクリーン上に投影されるユースケ・サンタマリアや小西真奈美の姿を負い、そして真の主人公であるうどんに思いを馳せる。

この映画、ストーリーの端々に有名人が一瞬出てきて讃岐うどんをすすっている。そういうのを目ざとく見つけ出すのが一つの醍醐味だと思う。

個人的には藤澤恵麻チャンを見つけてしばし愉悦に浸る。このキュートなルックスのお嬢さん、もとはnon-noモデルである。2年前のNHKの朝ドラ「天花」で女優デビューする機会を得たのだが、演技があまりにも拙かったことで僕の記憶に留まっている。そして、そのせいか出演作をその後ほとんど見かけない。

あ…もしかして、みんな香川県出身か?

あとは、本作を観る前に(あるいは観終わった後でもよいけど)、同じ本広克行監督の昨年公開の作品「サマータイムマシン・ブルース」を鑑賞しておくべきですね(同作品についてのブログ)。というか、そのまんま「サマータイムマシン~」のキャラが出てきているやんけ!


 


うぅむ、あの脱力系娯楽作品で特徴のない街として描写されていた土地は、実は香川県であったのか。おっと、そもそも本広監督が香川県出身なのね。どうりで地元愛に満ちていると思った。ナットク。

ということで「UDON」。ストーリーはかなりご都合主義的な展開に満ちてるが、こんな映画もあってもいいよね、という内容だった。ま、正直もう少し短めでもよいかもしれないとは思うけどね。


 


話は変わって、この前日の23日のこと。横浜にやってきた知人と、みなとみらい~山下公園~中華街の界隈を散策した。午後早めの新幹線で帰宅する知人と別れた後、再びみなとみらいに戻って時間をつぶす。

そこで、以前よりちょっとばかり気になっていた施設を訪れる。ちょうどワールドポーターズの裏手のJICA(国際協力事業団)の建物にある、海外移住資料館だ。100年以上におよぶ日本人の海外移住の歴史と、移住者・日系人たちの現在の姿の記録を集めた資料館である。

その時はちょっと疲れていたせいもあってそれほど時間をかけず通り過ぎるように展示を眺めていったのだけど、それでも展示品を見るにつけ、故国を離れ新天地を求めた多くの何十万という人々に、その数だけの苦難と喜び、そして感慨というものがあったことを感じた。

もちろん、実際に人々が体験したそれらの重みに比べれば、断片的な情報をもとにごく短期間脳裏に浮かべた僕の想像など、ただの錯覚と言ってのけることもできるのだろうが…。

とにかく、ふだん言及されることの少ない、日本のもう一つの近現代の歩みを知ることができる場である。そうたびたび足を運ぶものではないだろうが、でも一度はぜひ訪れておきたい貴重な施設だと思った。ということで、海外移住資料館、興味のある方はぜひ。

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September 17, 2006

シュガー&スパイス〜風味絶佳〜

劇中。雨の中ずぶ濡れで部屋に挙がってきた彼女に、部屋を暖めコーヒーを出していた主人公が聞く。「送っていくよ」。「それとも…泊まっていく?」。

「いや」と彼女は答える。そしてその後、小さくつぶやく。「“いや”っていうのは“いい”、ってことだよ。たった一人の相手には“いや”が“いい”になるんだよ」。

くぅうう〜。なんだそりゃっ。

わしには、“いや”は“いや”しかないぞ!?


以前より「パッチギ!」「間宮兄弟」などで注目していた沢尻エリカちゃんが出ているというので、を観に行った。最近は「タイヨウのうた」というドラマにも出ているらしいが、それは観ていないのでよくわからない。

映画「シュガー&スパイス〜風味絶佳〜」。

お相手、というか主演は柳楽優弥クン。ほう。たしか「誰も知らない」で注目された若者ですね(まだ観ていないけど)。

ストーリーとしては若き年頃の男女の恋愛を描き、青春の甘さとほろ苦さを彷彿とさせてくれる映画。人によっては自分の人生を振り返って、自分の経験を重ね合わせられるのかもしれない(わしには、“いや”は“いや”という意味だったことしかないが)。


スクリーンを眺めつつ、沢尻エリカちゃんは美人だなあ、と思う。今回の、恋愛に興じる女子大生という役は彼女にピッタリな気がした。こういう若き男女の楽しく甘い恋愛をこなして、そしてその挙げ句華麗なまでの残酷さで男子をふってしまう女子というのは、誰にでもできるわけではないだろう。

思うに、上野樹理では明るすぎ、長澤まさみでは幼すぎ、上戸彩では小悪魔過ぎ、宮崎あおいでは本格的すぎ、蒼井優でははぐみになり、鈴木杏では太すぎて喜劇になる。この役柄は沢尻エリカという人がピッタリだと思った。


柳楽優弥クンの役はなんだか朴訥としていて、マイペース。おまけにヘタレである。現実的に考えるとこれでなぜ女子にもてるのかわからない。しかし、それでもてるとすればルックスによるものであろう。

柳楽クンを観ていて、僕の大学時代の友人を思い出した。僕にはまさに柳楽クンのような風貌の友人がいた。僕と同じ学科で民族学を学び、Macにハマっていて、マイペースでひょうひょうとキャンパスを歩いていた。

とそれだけ書けば僕によく似た、同類項の人間である。

しかし、なぜか彼は女性にはもてた。とくに努力しているわけでもないのに、いろんなご婦人とつきあっていた。興味の分野からすれば同類項である僕にはそういう恩恵がまったくもたらされなかったというのに。

いったいなぜだろうと思った。しかし話は単純で、それは彼のルックスゆえであった。この柳楽クンのようにちょっとキリリとした顔立ちで、目ヂカラがあって、秀でた眉を持っていた。

中身はたいして僕と変わりがないのに、ただそれだけの身体の造作の違いで、人間は大きく分かれてしまうものなのだ。なんと!

あれから10年余の年月が流れた。そして彼も僕も三十路になった。しかしなぜかともにいまだ独身である。いまのところ、結果としてみれば同じである。

話がずれたけど、とにかく柳楽クンは僕の友人に似て顔の造作がよい。だから、とくに何の努力もせず沢尻エリカのような女性とつきあえることになっても、おかしくないのだろう。ああ、僕もつくづく柳楽優弥に生まれたかった。


主人公が住まうことになるアパートとか、米国かぶれの祖母が経営するバーとか、その彼女が若い恋人に運転させている車とか、主人公が働くガスステーションの建物とか、観ればわかるんだけど映画でなければありえない小道具や空間が用意されている。

こういう現実とはちょっと離れた独特の雰囲気を感じるのは、映画を観ることの一つの醍醐味であろう。そういう魅力に満ちた映画である。

でも、徹頭徹尾そういうモードで完結されるのかやと思いきや、ガスステーションで働くスタッフが大泉洋。「水曜どうでしょう」である。彼以外のスタッフも、名前はわからないのだがダサくて中年カッコわるい系の面々が揃えられている(まさに“いや”が“いい”になる相手としては絶対選ばれないような男たち)。

空間や小道具の洒落た雰囲気と、かたやもう一方の、主人公をとりまくこのキャラたちのカッコわるさが絶妙にアンバランスである。これは、狙ったのだろうか?

まあ、そんなわけでちょっと不思議系なテイストも漂う映画だと思った。


後でこの映画を観た人から、沢尻エリカちゃんの元カレの慶応の医学生の男役を演じていた役者が、「パッチギ!」では沢尻エリカちゃんの兄の朝鮮学校の番長役だった人で、「春の雪」では主人公の親友の本多を演じていた、と聞かされる。

調べてみると、高岡蒼佑さんという人。ふむ。シーンとしてはそんなに多くは出てこなかったけど、舞台の端々にはそれなりにできる役者を配置しているわけですね。なるほど。

さてそれでは、スタッフロールに名前の出てくる蒼井優チャンは、いったいどこに出ていたのだろうか??


 

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September 10, 2006

ユナイテッド93

予定のない休日。暇なので部屋でとりあえずネットサーフィンをする。

で、あちこちめぐっているうちに「世界飛び地領土研究会」なるサイトに出会う。これが滅法面白い。わぉ。ついつい読み込んでしまう。

Sekaitobichi「飛び地領土」とは、本国との位置関係が飛び地のように存在している領土のことを言っているらしい。サイトの冒頭には「世界地図を眺めているとナゼか気になる飛び地や、飛び地のような小さな植民地その他各種の怪しい地帯を研究しています 」とある。

で、内容が飛び地だけではないのである。純粋な飛び地だけでなく、見方によってはたしかに飛び地領土といえる各国の植民地の紹介とか、さらには「消滅した国々」「非公認の国々」「作り損ねた国々」なんてコラムも用意されている。

それぞれについて、情報量の実に豊富なこと! 一朝一夕にできたサイトではなく、何年かをかけて順々に拡張していまの内容になったらしい。いや、中学1年の時に井上ひさしさんの「吉里吉里人」に出会い、以後独立妄想にかられた僕にはたまらん内容である。

僕はこのサイトの開設者の人となりを寡聞にして知らない。しかし、通である。そして粋である。こんなに魅了されるサイトに出会ったのは「さざむし」以来だといえる(…思い出せば、この「さざむし」は実に衝撃的な内容であった。初めて見た直後は、飯が喉を通らんかった)。

ということで「世界飛び地領土研究会」、このブログを訪れたあなたがもし歴史・地理好きだったらおすすめしたい。知的快楽に満ちた暇つぶしができるであろう。

さて、今日も映画館に出かけた。というのも行きつけのシネコンが、9月は会員カードを持っていると料金が全て1,300円というキャンペーンをやっているのだ。見ないと損というものである。

今日見た映画は、「ユナイテッド93」。今年で5周年を迎える、9.11大規模テロにかかわる映画だ。

あのテロの際、4機が自爆テロ犯によってハイジャックされながらも、1機だけ目標に到達せずに墜落した航空機があった。それがユナイテッド航空93便だ。

確認された事実ではないが、乗客から家族への通話への内容から乗客がハイジャック犯たちに立ち向かったという推測がされており、多くの人々の心に刻まれた“神話”となっている。そのストーリーの映画化である。


この映画が製作されたことは、村上龍さんが編集長を務めるメールマガジン「Japan Mail Media」の2006年5月6日発行の号で、冷泉彰彦さんがコラム「from 911/USAレポート」(第249回)で紹介していて知っていた。このコラムを読まなければ、早くもあの悲惨な事件をネタに商売を企てる輩がいるのか、という思いを抱いて見ることはなかっただろう。

しかしそのコラムでは、米国公開時の「静けさ」を伴った反応、観客の反応、そして内容の評価できる点と注意しなければいけない点などを浮き彫りにしていた。この映画がたんなる商業主義でも、政治的な作品でもないとわかったのが僕を劇場に足を向けさせたきっかけだった。
(残念ながらJMMはバックナンバーを公開していないので、そのコラムをご覧いただくことができない)。


観終わっての感想だが…。これは、相当なインパクトに満ちた映画であることは誰もが認めるだろう。

ラストを迎えた時、劇場は静寂に包まれた。エンドクレジットが流れ始めても、多くの人はこわばって体が動かなかったのではないかと思う。あの、2001年9月11日のそれが起こる過程を、(機内の部分はフィクションであるとはいえ)スクリーンを通して追体験したのだ。

感極まって、僕の僕の眼球をおさめる窪みから水がしたたりおちるほどであった。

エンドクレジットが流れるのを眺めていると、空港関係者や軍関係者の何人ものキャストが、AS HIMSELFとなっているのに気づく。AS HIMSELF…本人が演じていたというのか。むむ。ナルホド、これは真に迫っているはずだ。
(あとでJMMの冷泉彰彦さんのコラムを読み直してみたら、なるほどそのことに言及されているのだけど、その時の僕は内容をすっかり忘れていたのだった)。


さて、実際の機中で何が起こったかは誰にもわからないわけだが、ユナイテッド航空93便の乗員や乗客が、そのささやかな希望に満ちた日常を突然絶たれ、恐怖と絶望のなかで死を迎えたことだけは間違いない。

それは93便だけでなく、世界貿易センターやペンタゴンに飛び込んだ3機の乗員・乗客や、そのビルの内部にいて命を落とした人もそうであった。

彼らだけでなく、その後に始まって今に至る一連の戦争で多国籍軍の攻撃を受ける側になった国の人々だってそうだろう。本人たちには何の罪もないのに突然の災厄に巻き込まれ、そして希望を絶たれたという点では同じである。やるせない。実にやるせない。

もっと広げて考えれば、先の大戦で同じように戦災に遭い命を落とした父祖の世代の人々や、あるいは逆にこの国が起こした行為で命を落とした近隣諸国の人々だって、同じように突如として希望を絶たれたのだ。たまたまその時代、その地域に生きていたということで。

そう思う時、そうした不幸な事態が人々の上に降り掛からない世が来ることを、切に願って止みません(…天皇陛下のコメント風だな)。

もっとも、そうした事態が起こらない世が来ることは、現実的には難しいだろう。おそらくは不可能かもしれない。ただ、そうした事態ができるかぎり起こり難いようにする努力は必要であろうし、それを具体的に考えて実行していかなければいけないのではないかと、感じた。


 

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September 09, 2006

グエムル −漢江の怪物−

何の予定もない気楽な土曜日。今日は隣の駅の映画館で、「グエムル −漢江の怪物−」を鑑賞した。タイトルからわかるように、韓国映画である。


ストーリーを分類すれば怪獣映画ということで、得体の知れない凶悪な生物が出てくる。だけど、怪獣が街を破壊するでもなく、軍隊と戦うわけでもない。だいたいサイズがさほど巨大ではなく、マンモスとかクジラとか、そのくらいのサイズ。こいつが人を襲うのである。

そういう意味では、ゴジラやガメラの系譜に連なる映画ではなく、たとえば現実社会を舞台にした「エイリアン」であり、陸に上がってくる「ジョーズ」とたとえることができる。

もっとストレートにいえば「漢江の怪物」の怪物は、日本のアニメーション映画「WX III 機動警察パトレイバー」に出てくる怪物と同類だといえる。あちらの映画では、ある研究機関が廃棄した生物兵器が東京湾で成長し、ベイエリアにやってくる人を襲うというものであった(もともとは、コミック版「機動警察パトレイバー」にある「廃棄物13号」が原作)。

そもそも原因は人間の側が生み出したもので(軍事関連の施設が発端)、水に棲息し、被害に遭うのは市井の人たち、というところで「WX III 」と「漢江の怪物」とよく似た設定だといえよう。


とはいえ、観終わってみると「漢江の怪物」はなかなかに面白かったし、その醍醐味は「WX III」とは別の種類のものであった(…というか、正直言って「WX III」のストーリーは僕にはあまり面白くなかった)。

というのも娘が怪物にさらわれるというなかなかに深刻な展開ながら、ユーモラスなのである。節々にジョークというか、漫才のようなかけあいが行なわれて、それが全編に渡っていた。結果として、完璧なるホラーとか、パニックアクションといったものとは縁遠いものになっている。

これが嫌な人には嫌かもしれないけど、まあ、気楽に見られていいという効果のほうが大きいだろう。


あと、少し穿った見方をすれば、ストーリーの要所要所に韓国の国内事情らしきものを垣間見ることあができた。たとえば、怪物の原因を生み出したのは米軍であり、化学兵器を散布しようとするのも米軍である。

これらは国内に反米感情があることの表象といえるのかもしれない。ま、韓国だけでなく日本国内にもこうした感情があり、米軍が事件を起こした時など露呈することがあるのはご存知のとおりであるが。

それにウイルス対策や怪物退治に進展がないのに業を煮やし、米軍やWHOが介入してくるあたりなどは、1997年に韓国の経済がデフォルト寸前に陥り、IMFの管理下に置かれた事態を彷彿とさせる。

また、怪物に接触すると感染するとされていたウイルスが、実はまったくの嘘であり、それでも体面を繕うために容疑者の拘束と調査にこだわるところ。これなどは黄教授のねつ造事件を観客に思い出させるであろう。


とはいえ、明らかに言及されたものではなくあくまで彷彿とさせる、といった程度のものである。気にせずに見てしまえば済んでしまうものだし、製作者がそこまでの連想を考えていたのかはよくわからない。


最後に。ソン・ガンホ演じる親父のダメ男っぷりもさることながら(「宇宙戦争」のトム・クルーズに匹敵する)、その娘ヒョンソを演じるコ・アソンの演技には脱帽。その素朴天然系キュートさに、三十路男のハートが激しく揺さぶられた事実を付記しておこう…。あくまで付記するだけが、それについて書き出すとまた人格が疑われるので深くは触れない。

ではっ。


 

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September 02, 2006

東京フレンズ The Movie

Shinagawa土曜日。朝起きて、ふだんだったら朝食をしてからまた二度寝するんだけど、ふと思い立って映画館に出かけてみる。

出かけた先の映画館は品川プリンスシネマ。品川にあるプリンスホテルので新館として何年か前にオープンしたところだけど、僕はまだ行ったことがなかった。このほど初めて訪れたのは、僕の観たかった映画が大塚愛チャン主演の「東京フレンズ The Movie」だからだ。上映している館がかなり限られており、近場で探したところここがあったわけだ。

もともと品川は、僕が社会に出てから7年間勤務した場所。だからだいたいの勝手はわかる。もっとも、その頃は新幹線の駅もなければ再開発で建てられたビル群も全くなくて、かなり寂れたところだったんだけど。


Shinapricinemaそれで品川プリンスシネマに着き、ぶじ朝最初の回で「東京フレンズ The Movie」を観ることができたのだけど、僕以外誰も入っていなかった。なんと。

座席はいわゆるプレミアシートというのでしょうか、ゆったりしていてなかなかgoodで、そんな劇場のなか僕一人。僕専用のスクリーン。なんという贅沢なんだ! 望むならば、これがデートで来た時だったらよかったのに…(そんな時あるのか?)。

そんなわけで僕専用に用意された大塚愛チャンの姿を、2時間じっくりと眺めつくして楽しんだのだった。むふふ。

今回、目前のスクリーンでその御顔だけじゃなく身体の隅々まで丹念に追いつくしてわかったことがある。大塚愛チャンは、実はわりと胴長短足だということだ。にゃるほど! 以前から有名芸能人のわりには身近な親近感を抱かせるものがある気がしていたのだが、これが理由であったか。


Aiohtsukaこの映画、もともとオリジナル作品がDVDでリリースされており、その続編という位置づけにあたる。

「いちばん初めに描いた夢を、あなたはいまも覚えてる?」というのがキャッチフレーズで、高知の田舎の女の子が東京に出てきて、仲間と出会って、夢を抱いて、恋愛もして、がんばっていくなんてストーリー。で、DVD作品では夢はかなり都合よい展開ながら着実に実現させていくけど、彼氏(瑛太)とは別れて…なんてところで終わる。映画はその後日譚。たぶんDVDを観ていないと楽しめないとは思う。

まあストーリーはかなり甘くて、青春トレンディドラマの域を脱していない。でもいいのだ。もともとこれは、トレンディドラマ仕立てで作られた大塚愛チャンプロモーションビデオなんだから。大塚愛チャンのミュージッククリップとして考えればあまりに豪華なおまけがついているのである。


それにしても「いちばん初めに描いた夢を、あなたはいまも覚えてる?」と問われても、夢なんて何も描けない年代になってしまったナ。思えば品川で働いていた頃がギリギリだったのかもしれない。ま、もともと僕は若い頃から夢を見ない現実主義者だったからちょうどよいんだけど。うん。

手持ちのiPodをクルクルと操作して、インストールされている大塚愛チャンの曲を聴く。「東京フレンズ」の主題歌、「ユメクイ」はなかなかいい曲だと思う。iPodが奏でる曲たちを耳に、僕がかつて東京に出てきて仕事を始めた思い出の地、品川を後にした。


   

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