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January 02, 2007

大奥

歴史好きの僕は、NHKの大河ドラマをしばしば通年で観る。

もちろん観ない年もある。だいたい1月が分岐点で、初めの時点の数回を見続けるかどうかにかかっている。そこを見逃すともう登場人物とか、設定がよくわからないから観ない。

その後は外出する時などに、ビデオをセットし忘れることがなかったり、あるいは土曜にある再放送を逃さずに見られるか、というのにかかっているのであった。途中、そういうトラブルが重なるとストーリーが理解できなくなって、それで観るのを止めてしまう。

そう。これまではそんな具合だった。しかし3年ほど前にHDDレコーダーを購入して変わった。HDDレコーダーの機能で録画予約にセットしておくと、容量オーバーにならない限り確実に録画されている。というわけで、観なくなる理由はなくなる。

だから昨年の、司馬遼太郎氏原作、仲間由紀恵さん主演で山内一豊妻の生涯を描いた「功名が辻」はぶじ通年見通すことができた。まあ、観るのを習慣にしてしまえば大河はそこそこ楽しいものではある。


しかしながら、その「功名が辻」、話としては悪くないんだけど、回を重ね終盤にさしかかるに至って僕の頭には一つの疑問が頭をもたげてきたのであった。

つまりそれは、こういうことだ。

「なぜ仲間由紀恵演じる千代は、年をとらないんだ?」


そう、上川隆也さん演じる山内一豊をはじめ、周囲のキャラはみんな齢を重ねていった。しかし、仲間さんはとっくにばあさんになっているはずなのに、いつまでも登場当初と変わらぬ姿のままだった。あたかも永遠の20代である。

大河ドラマは、民放の時代劇に比べると歴史交渉はしっかりしていると思うのだが、なぜかこういう基本的なところでの嘘は通ってしまう。

ふりかえれば「武田信玄」で、中井貴一さん演じる武田信玄が、とうに出家しているはずなのに最後まで坊主頭にならなかった。「おいおい、出家しなきゃ信玄じゃなくて武田晴信のままだろー」と思ったわけだが、今回もそれと同じようなもんだろうか。あるいは、「独眼竜政宗」で岩下志麻さんに伊達家に輿入れする10代の姫の役をさせたこともあったので、その逆をやっているだけとも言える(ちょっと違う?)。

むむむ…。


 


さて2007年、2本目に観た映画は、「大奥」であった。

地元の旧友Rと久々に会って地域の天神さんに初詣に出かけ、その後市内の赤から鍋で晩餐をとって映画館に向かったのである。


この大奥、フジテレビ系列で好評を博したドラマシリーズの映画化なのである。ドラマは何編か作られていて、作品ごとに設定や主演が違う。そして映画化にあたっても新たな出演者が起用されていた。映画化作品の主演は、仲間由紀恵さん。

このキャストを知って、「もしかして演技が「功名が辻」そのまんまじゃねーの?」と思ってしまった興味を抱いたのは、僕だけではない、はずだ、たぶん。はたして仲間さんの演技はいかに?

と。彼女の演技力についての評価を述べるのはひとまず控えておくことにしよう。

個人的に、それについて述べるのは映画「武士の一分」を鑑賞してからとしたい。

この時期、同作品でキムタクこと木村拓哉さんがちゃんと侍を演じることができているのか、も気になっていることなのだ。こちらはいまのところ期待も失望もしていないけど。

ただ言えることは、仲間由紀恵さんの時代劇と、木村拓哉さんの時代劇、僕にとってはどちらも同じレベルのできごとのように思える。それだけは確かである。

どちらも、この目で確かめなければ…。


 


補足として、歴史的な事実について述べておく。

この映画のモデルになったのは、有名な「江島生島事件」である。これは、七代将軍家継の治世、正徳年間に起こった事件だ。大奥取締・江島(絵島)と歌舞伎役者・生島新五郎が情を通じたとして、両名とその関係者が罰せられるとともに、それをきっかけに大奥の風紀が粛正されるに至った事件である。

インターネット上のフリー百科事典Wikipediaにも「江島生島事件」の記述があるので、ご覧になるとよいだろう。この記述にあるように、たんに江島と新五郎の関係のみならず、その背景には前将軍家宣の正室・天英院と、現将軍家継の生母・月光院の勢力争いがあったとされている。映画はこのよく知られた事件をもとに(まさに大奥の素材にするには、うってつけのストーリーだ)、大幅な脚色を加えてフィクションとしたものである。

ちなみに歴史上の江島は1681年生まれで、この事件が起きたのは1714年だから、年齢としては33歳(数えでは34歳か?)ということになる。映画での仲間さんの役の設定よりは、少し年上ということになる。


映画を観終わって帰宅したところ、実家の居間のテレビの液晶にはテレビ愛知(テレビ東京系列)で放映の新春ワイド時代劇「忠臣蔵 遥泉院の陰謀」が映し出されていた。

今回のこの忠臣蔵作品、浅野内匠頭の遺された妻である遥泉院の視点で描かれているのが新機軸たるところ。よって、大石内蔵助の討入りの後に何があったのかもドラマのストーリーにしていた。

画面を眺めていると、五代将軍・徳川綱吉の養子となる甲府藩主・徳川綱豊の正室として、煕子が登場してきた。おお、天英院じゃありませんか。

しかも、その側室がお喜代の方。四十七士の名誉回復と浅野家再興を目的として、遥泉院と内蔵助が密かに画策して甲府徳川家に輿入れさせていた女性だという。そのお喜代は綱豊の子を産む。綱豊は後の六代将軍・家宣。そしてその子は家継である—。

おおお、月光院じゃんか。えっ? 月光院ってまさか浅野家の関係者なの??

…と思って調べてみると、なるほどそういう説が実際にあるんですね。寡聞にして初耳…ふむ。


おまけにこのドラマ、徳川綱吉を津川雅彦が演じていた。

津川雅彦の綱吉役といえば1995年のNHK大河ドラマ「八代将軍吉宗」と同じではないか。と、これも調べればかつての大河ドラマもこの「遥泉院の陰謀」もどちらもジェームズ三木さんが脚本をしているじゃんか。

なんだ。

振り返れば「八代将軍吉宗」は、抜群に面白い大河ドラマだったよなあ。

その劇中でも描かれていたけど、御三家のうち紀州藩主の吉宗が八代将軍に選ばられるにあたっては、天英院の意向というのが強く働いているんだよな。うん。そこにも家継の生母である月光院派との勢力争いがあったともされている。

さらに大河ドラマについて言うと、その物語世界では吉宗月光院が懇ろな仲になるという展開が用意されていた。たしか吉宗月光院を妻にしたいと言い出し、天英院にたしなめられるというシーンがあった。

いやはや、かたや映画では側用人・間部詮房と不義の恋に落ち、かたや別のドラマではわが子の次代将軍の吉宗と許されざる関係になる。月光院さんは大忙しですね。

誰も、その現場を見たわけじゃないのにね。


 


そのようにして過ぎる2007年の正月であるよ。

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