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May 04, 2008

クローバーフィールド/HAKAISHA

TOHOシネマズシネマイレージカードのポイントが貯まって、映画を1本無料で鑑賞できるようになっていた。

そこで、TOHOシネマズ川崎の劇場に足を運び、最近話題になっている映画「クローバーフィールド/HAKAISHA」を鑑賞する。



http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD12192/1006579_01.jpg

ホームビデオカメラを使って素人が撮影した風に作り上げた作品で、画面が激しく上下左右に揺れるということで、先に鑑賞した人の感想をみると“観ていると酔う”との評判がもっぱら。でも、予め情報を仕入れて、そのことを意識していたせいか僕自身はスクリーンを眺めていて酔うことはなかった。これはたんに僕が鈍いだけかもしれないが。

このような手法を用いた映画としては、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」が思い出される。そこそこヒットした映画なので、ご存じの方も多いと思う。今回の「クローバーフィールド/HAKAISHA」は、その怪獣映画版というところだろうか。


ニューヨークの街に突然、未知の巨大生物が襲いかかるのである。主人公たちはわけもわからず逃げ惑いながら、ビルに閉じ込められた恋人を懸命に救出しようとする。

ニューヨークを舞台に怪獣が襲いかかるという作品としては、かつて公開された「GODZILLA」が思い出される。しかし、あれは全く恐くなかった。観ていて、コメディかこれは? と思わせるようなストーリーだった。それに比べると今回の怪獣映画は、演出のせいもあってかなりの迫力を醸し出している。これは、十分に成功しているといえる。

そして、おそらくこの映画の製作者たちには、ゴジラなどを生み出した日本の怪獣映画へのオマージュがあるのだろう。この映画の背景を僕はよく知らない。ただ、物語はニューヨークに暮らす主人公の送別パーティーの映像からスタートする。その主人公が赴任を予定している先が、日本なのだ。


今回の作品の新機軸は、視点を徹底的に逃げ惑う人びとにあわせたことにある。その高さから街や怪獣を見上げるスタイルで全編を構成しているわけだが、実は似たような視界の転換を日本の怪獣映画でも体験したことがある。その作品は1995年の「ガメラ 大怪獣空中決戦」だった。

怪獣映画の雄、ゴジラが子供向けのものとなり、続編の公開が定番化してマンネリ化を迎えつつある頃だった。ゴジラといえば大都会のビル群を破壊する存在。それが続々と林立する高層ビルの高さに比例してゴジラのサイズも巨大化する一方だった。都市を闊歩するゴジラをとらえるシーンは、遠隔からのものが多用された。

そんななかリメイクされた平成版の「ガメラ」は、ゴジラとは趣きを変え、下からのアングルにこだわった。人びとの高さから見上げると、そこに何が映るのか。どのような恐怖を感じさせることができるのか。日本の怪獣映画に新たな風景が加わった。

そう、もともと怪獣映画とは、鑑賞者に恐怖を感じさせるものだった。1954年に公開された初代の「ゴジラ」を見直せばわかる。白黒のスクリーンながら、いやそれゆえというべきなのか、怪獣という存在に対する畏怖と戦慄を感じさせてくれた。

怪獣映画のエポックメイキングが、今回は海外からやってきたということだろう。


とはいえ、唯一腑に落ちないもののを感じたとすれば、現実にこんなにバッテリが持つビデオカメラなんてあるのかいな、ということ。

僕が扱った経験ではせいぜい1時間か2時間くらいで電池が切れてしまう気がするんだけど。むむむ、まさかバッテリをたくさん持参して、充電しながら逃げ惑っていたわけじゃないよね。…いやいや、そんなことを映画に指摘するのは、野暮というものなんだろう。

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