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July 27, 2008

ハプニング

7月の第3週に休暇をとって、国内旅行に出かけた。Miyajima


訪問した先は広島。妻がまだ訪れたことがないというので、新幹線のぞみで向かった(車両はN700系だった)。

1日目は、宮島を観光。かつて同じ職場にいて、いまは地元の広島に戻ったU君とその彼女に案内してもらう。夜は定番、広島市内のお好み村でお好み焼きをほおばる。

2日目は、広島駅から発着のバスに乗って、隣県・島根県の石見銀山遺跡に。中世から近世に至る時代、ここで採掘された銀は膨大なものであり、世界の銀流通量の3分の1が岩見銀山算出のものだったともいわれる。

いまは森林に囲まれた閑静な一帯なのだが、昨年、世界遺産に指定されたことで一躍有名になった。考えてみれば前日の宮島、この後の原爆ドームと、連日世界遺産を訪れていたことになる。

3日目は、午前に広島平和記念公園をめぐる。広島平和祈念資料館で、63年前の8月にこの地に投下された原子爆弾の惨状を見る。妻は初めてだが、僕自身はここは3度目。まず小学生の頃に家族旅行で来て、続いて社会人になって出張のついでに。そして今回となる。

午後は高速バスで呉に向かい、てつのくじら館(海上自衛隊呉史料館)と大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館)。前者は潜水艦をそのまま陸揚げて展示しており、後者は旧日本海軍の戦艦、大和の10分の1の模型があるということで最近人気を呼んでいる。

それぞれの背景や世界観はさまざまだけど、総じてこの日は戦争や兵器に関する展示を見学した1日だった。その後、500系ののぞみで新横浜に帰着した。


お好み焼きをはじめ、道中あれこれ食べ過ぎたせいか体重アップしていた。

自分史上最大重量をまた更新…orz


旅行から帰ってきた翌々日に、川崎でM・ナイト・シャマラン監督の最新作「ハプニング」を鑑賞した。


 ハプニング - goo 映画
 http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD12565/

 
 http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD12565/1006825_01.jpg


シャマラン監督というと、作品に思わぬ展開やどんでん返しがある監督として有名である。

最初に観た「シックス・センス」があまりに衝撃的だったわけだけど、もっともその後についていうと、最初の衝撃が大きすぎて、どちらかというと肩すかしを喰らっている感のほうが強いかもしれない。

正直、新たな作品が作られるごとに、観客側の「なんだあのオチは」「何が言いたいんだ!?」という声が大きくなっているように思うのだが、どうだろうか。

思えば前回の「レディ・イン・ザ・ウォーター」もそうだったな。たしか上映時のコピーが、“世界が初めて出会う、新しいナイト・シャマラン”。

いったい何が新しいのだ、とみんな期待を高めてスクリーンを凝視したのであったが…。

何が新しかったのかは、誰にもよくわからないままであった。


“新しいナイト・シャマラン”と銘打つのなら、むしろ今回の「ハプニング」のほうがふさわしいのではないかと、僕は思った。

今回も突如として不可解な事件が始まり、主人公たちが恐怖のなかで逃げ惑い、そしてその災厄が終わるまでを描くのだが…。

オ、オチがない。

どんでん返しも何もない。

映画のなかの大騒動となった事態は、始まりも終わりも突然で、その原因についての説明は何もない。伏線らしきものが明らかにされることもなければ、明らかにされていない隠喩がどこかに込められているという印象も乏しい。

ううむ…。

まあ、世の中のできごとって、巻き込まれた側にとってみれば突然で不可解であって、そこに意味も何も見出せないものなのかもしれないね。だから、もしかすると今回の作品はそれを表現したかったのかもしれない。

あるいは僕などがおよびもしない、深い意図があるのかもしれないけど。

主人公の不安感はまざまざと感じる取ることはできるので、できごとに巻き込まれた側のリアルな感情を描くことについては、成功しているといえるだろう。


かつて話題になったカーソンの「沈黙の春」という本がある。もしかするとあの冒頭の描写にインスパイアされて、リアルに物語化するとしたら、こんな感じになるのかもしれないな。とすると、環境問題についての壮大な隠喩なのか?

そういえば、ということでさらに思い出すと、藤子・F・不二雄の作品で「みどりの守り神」という漫画があった。あれは人類が突然絶滅してしまった後に、進化した植物によって生き残った主人公が(気づかないうちに)守られていて…というストーリーだった。希望の持てる話だった。

対してこの映画は、描かれている事態はどうやら緑の反乱らしきもの。真逆なんだなあ。


とにかく今回も万人向けの映画ではなかった。一人で観に来て、正解だった。

いろいろ書いたけど、これからもM・ナイト・シャマラン監督の作品をこれからも僕は観に来てしまうのだろう。そして毎回同じような感想を抱くのだろう。

考えてみれば前作の「レディ・イン・ザ・ウォーター」については、なんだかんだといいながら、その後DVDを買ってしまった。たとえそのストーリーが完全に理解できなくとも、あるいはゴールデンラズベリー賞の最低監督賞に輝いた作品だったとしても、僕にとっては非常に印象深い映画だったのだ。

レディ・イン・ザ・ウォーター」や、僕にとっては「ヴィレッジ」もそうだったのだけど、後から思い出して味わい深くなる映画というのが、これからもあるやもしれぬ。

この「ハプニング」はそうはならないと思うけど。


ちなみに、M・ナイト・シャマラン監督というと、自分が監督した映画のなかに必ず登場することで有名で、観客もその姿を探すのに一部血眼になっていたところもあるけれど、どうやら今回は登場していないようです。

前作には主要人物として出ずっぱりだったんだけど、結果最低監督賞に加えて最低助演男優賞をも授与されたのが、やはり応えたのですかね。


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